管楽器リペアスタッフ近田の日常の風景 Vol.2水漏れが止まらない!?

こんにちは。
この時期、コンビニで期間限定チョコミント味商品が並んでいて、目移りが止まらない!
さいたま新都心店で管楽器リペアを担当している近田(ちかだ)です。今のところ12個入ってるアレが好きです。

修理をしながら気が付いた、ご自身でもできる『いつものお手入れ+α』をご紹介していきたいと思います。

楽器から水漏れが止まりません!!?

金管楽器・木管楽器問わず、よくご相談いただく症状です。
金管であれば、つば抜きから水を抜いても抜いても、すぐ溜まる!ブクブク音がする、など。
木管であれば、管体の端っこから水がポタポタ落ちたり(サックスはU字管に水たまりが出来たり)、タンポからペチャペチャ音がする、など。

その水分の正体は!?

それは奏者の唾液です!!!

いえいえ、そんな訳ありません。喉がカラカラになっちゃう。
管内に発生する水分の正体は『結露』です。

『結露』とは

暑い日に、冷たい水が入ったコップを置いておいたらコップの表面に水滴がついて、水溜まりになったという経験はありませんか?
コップの内側と外側の温度の差によって起きる現象を結露といいます。
その時の温度、湿度、結露するものの素材などによって、結露する条件は変わります。

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グラスに発生した結露

管楽器の場合、夏よりも冬のほうが結露しやすいと言えます。
冷えた楽器に温かい息が入ると……条件が揃いましたね!

クーラーの効いた部屋での練習、練習の休憩中に放っておいた後なども同様です。

『結露』させないためにできること

外気と楽器本体に、温度差をなるべく作らないことです。
大丈夫です、そんなに難しくないですよ!

まずは楽器自体を掌(てのひら)で温めます。ぎゅっと握る必要はありません。
温める場所は結露が発生しやすい、唄口に近いところです。

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キィに負担を掛けないように、包むくらいのきもちでOK

そして、全体を温めるようなイメージで息を入れます。
こうして、じわじわ温めるのがポイントです。

練習を始めて5~10分で完全に管体が暖まってきたところで、一度スワブや掃除棒を使って、中の結露を取ります。
ここで結露をそのままにしておくと、管体全体に水分が流れ、冒頭のぶくぶくやペチャペチャになる訳です。

フルートは頭部管、クラリネットはリードを外して管内全体を、サックスはネックに通すだけでも効果が感じられると思います。
金管楽器はウォーターキィからまずは水抜きを。気になる時はマウスパイプにスワブを通しましょう。

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せっかくチューニングしたのに~という声が聞こえてきそうなので、ご紹介。
フルート・ピッコロは分解しなくてもOKな商品、ございます!
他の楽器はリードやマウスピースを外すのでチューニングには問題ありませんね。
(トランペットはチューニング管の大体の位置を覚えておくしかなさそうです…)

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ピッコロ用掃除棒
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フルート用掃除棒ロングタイプ

とにかくスワブや掃除棒をこまめに使う!!

いわゆる掃除道具を使うのは、練習が終わった時だけ!と思っていらっしゃる方、とても多いのですが、『途中にお手入れすること』で演奏中の不快感は勿論、楽器の状態維持(特に木管楽器)に繋がります。
初めの1回ではなく、練習→スワブ→練習→・・・繰り返しです。
楽器が暖まっていれば、結露も少なくなります。

楽器を急激に冷やさない

冷えると結露しやすくなります。
楽器から離れるときは、クロスをかけておくなど、急激に管体が冷えないようにしましょう。

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木管楽器さんは、もうひと手間

タンポは水を吸うと膨張して調整が不安定になるだけでなく、劣化が早まります。
タンポと音孔の間に水の膜が張って、ノイズがしたり、前述のペチャペチャ音がしやすくなったり。
スワブ・掃除棒での水分除去と併せて、クリーニングペーパーで補助してあげると良いですね。

こまめな水分除去は木製の楽器のひび割れ対策にも有効!

具体的に言えば、クラリネット・木製ピッコロ・木製フルート・オーボエ・ファゴット
ひび割れの主な原因は、管体内部と外部の温度の差と、結露です。
ゆっくり温める・こまめにスワブを通すことでひび割れのリスクを下げることができます。

15~20分に1回はスワブを通すのが理想です。
ファゴットは一番下のU字管を外して、スワブを通しましょう。

ここにも水が溜まってますよ。
ティッシュペーパーなどでグリスと一緒に拭き取りましょう。

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ジョイント部分の内側・外側

クラリネットのお手入れ、詳しく確認したい人はこちら
【管楽器】クラリネット お手入れの仕方 - グランフロント大阪店(梅田駅 最寄) 店舗情報-島村楽器

正しいお手入れは演奏上達の基本

いかがでしたか?
文章にすると、やることが沢山あるように見えますが、実際にやってみると簡単ですし、『結露』の仕組みが分かれば、感覚的にできると思います。
演奏もお手入れも基礎が大事。習慣にしましょう。

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