【マイスター工房通信】ペグ穴の大きさの調整~スパイラルブッシング編~

みなさま、こんにちは。
弦楽器修理担当の石川です。大分寒さも和らいできて、都内はほとんど雪が降らないまま春を迎えそうです。早くマスクをせずに堂々と外出できるようになれば良いですね。

ペグ穴の大きさの調整~スパイラルブッシング編~

今回はペグ穴の大きさの調整についてお話します。
ペグの穴は長期間チューニングでペグを回していると、摩耗して穴が大きくなったり、真円に近い形だったのがだんだん歪んでいきます。そうするとペグがきつくなったり緩みやすかったりとチューニングが難しくなり、チューニングしても狂いやすくなってきます。ペグ穴が大きくなりすぎたり穴の位置自体がずれている場合は、通常ペグ穴に木材を入れていったん完全に埋めてから、適切な位置に適切な大きさの穴を開け直す「ブッシング」という修理を行いますが、今回はペグ穴の位置は正常だけど穴が少し大きい場合に行う「スパイラルブッシング」という修理をご紹介します。スパイラルブッシングは穴を木材で完全に埋めて開けなおすブッシングよりも短時間で終わり費用も安くすみます。

まず木材をカンナで削った時に出る薄いスパイラル状のカンナくずを用意します。葉巻のようですね。

広げるとこんな感じです。

次に調整したいペグ穴をリーマー(穴を削って円形に整える道具)で削って整えます。

真円になったか刃のついていないリーマーで確認します。

穴が整ったら刃の付いていないリーマーに先程のカンナくずに接着剤を付けて巻き付けます。

ペグ穴にも接着剤を付けて慎重に差し込んでいきます。これが意外に難しく、失敗してカンナくずがぐしゃぐしゃになってしまうこともあります。

反対側の穴までカンナくずが通る様にします。

接着した後しばらく待ってからリーマーだけを抜きます。筒状のまま固まっています。

飛び出したカンナくずを切り取ります。分かりにくいですが穴の内側に白い線が見えます。これが埋めた部分となります。

仕上げにニスを塗って目立たなくして再度リーマーで穴を整えれば完成です。
調整剤を付けたりペグを削って調整してもチューニングが上手くいかない時、ペグ穴を小さくして整えてからペグ調整することで当初の使いやすさが蘇ります。この修理はエンドピンの穴の調整にも行うことができます。ペグが太すぎて使いにくいと思っている方や、エンドピンが抜けてきているという方は一度ご相談ください。

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