クラ~リネット

こんにちは、

ジメッとした時期が続きますが、私は元気にやっております、野水です。

今回はクラリネットについてご紹介していきたいと思います。




クラリネットは18世紀初頭シャルモーという楽器を改造して生まれ、高音域を演奏することに特化した楽器だったようです。

シャルモーも18世紀中頃まではオーケストラの中で演奏されていました。

クラリネットは当時ツゲと呼ばれる材で製作されており8つのトーンホールと2つのキィ待つ楽器でした。

現代ではより高度な曲や表現、強弱に対応するためにグラナディラという素材を使うようになり様々な音を演奏するためにトーンホール、キィも増えていきました。

代表的なキィシステム

キィって何ぞや?

キィとは木管楽器の手では塞ぐことのできない位置、サイズのトーンホール(音孔)をふさぐための蓋です。

簡単に言ってしまえばピアノで言う鍵盤と同じものです。

このキィの並び(以降システムと呼びます。)はいくつものキィシステムが開発されており、

どれも演奏性、音程感、表現の仕方などを求め研究されてきました。

その中でも現在使われている二種類のキィシステムがあります。

エーラー式(ドイツ式)

19世期初頭にエーラー式クラリネットが開発され。今でもドイツやウィーンで愛用されています。

27キィが組み込まれ運指は若干複雑になります。

音量は ベーム式に比べると弱いですが太い芯のある音クリアな音色が特徴です。



ベーム式(フランス式)

19世紀中頃にテオバルト・ベーム式という楽器製作者の考案したベーム式という方法をとった楽器が開発されました。

この方式は現代で使用されている楽器にも採用されており現代の楽器の世界標準と言っても過言ではありません。

柔らかく温かみのある音と芯のある歯切れのよい音のバランスが良い楽器です。

17キィとエーラー式よりもキィが少なく、操作も簡単になっています。

吹奏楽やJAZZ等様々な場面で使用されており、日本国内のクラリネット奏者も約8~9割の方がベーム式を使用しています。

抵抗感も程よく楽器の鳴りも良い、操作が簡単で演奏しやすいところが人気の理由なのかと思います。

クラリネットの中

この2種類形式で違うところはキィだけではなく、管の寸法、内径など様々な 部分で違いが見られます。

下の図は大まかにクラリネットの管の中を図にしてみたものです。

見て頂きますとエーラー式、ベーム式のクラリネットで全く違う形になっています。

図の上にあるエーラー式クラリネットは、ほとんどの管が円筒になり、ベルの直前で管が太くなっていくよう※テーパーがかかっていきます。

対してベーム式クラリネットは管も太くなっていますが、それ以上にテーパーがゆったりとかかっております。

この違いが音色に直結します。

※テーパーとは円筒上の構造物が先細りになっていく事をテーパーと呼びます。テーパーのかかり方はメーカーによって様々です。

ストレートな管が多い楽器は木管楽器はフルート、金管楽器ではトランペットやトロンボーンが思い当たります。

その楽器の音は明るくハッキリと聞こえるクリアな音でよく抜けるサウンドが特徴です。

テーパーがゆったりとかかっている楽器は木管楽器だとサックス、金管楽器ではコルネットやユーフォニアム、フリューゲルホルンなどがあります。

この違いは音の伝わり方、広がり方が違い、

管がまっすぐな程タイトでクリア。しかし音量の幅は少なくなっています。

テーパーが掛かる程柔らかい暖かみのある音でダイナミックな演奏も可能です。

楽器によっては音程の問題がある場合がありますがそれはまた別の回でご紹介いたします。

素材(木材)

古楽器のクラリネットはツゲという植物を使用し製作されていましたが、

現代のクラリネットでは数種類の材が使用されており、音色もそれぞれ個性があります。

画像用のサンプルがなかったため楽器の状態での写真になりますがご容赦ください。

グラナディラ(又はグレナディラ)

アフリカンブラックウッドと呼ばれる木でその名の通り、アフリカで生育する木です。

高級な木材でクラリネットだけではなくギターなどにも使用されています。

密度の濃い木材で水に沈んでしまう程比重が重い木材です。

今のクラリネットでは、一番使用されており様々な表現に対応できる木材です。

エボニー(黒檀)

中国~東南アジアに生育している木で仏具やチェスのコマ等に使用されている木材です。

名前の通り黒い木です、ギターの指版材等にも使用されており。

輪郭のハッキリした音が印象的な木材です。

ローズウッド(紫檀)

黒よりも茶色の木目が見える木材です。

ギターのボディ材や家具などで使用されています。

音がより柔らかく温かみのある音が特徴で、比重もグラナディラに比べ軽くなっています。


ここまでの木製クラリネットと呼ばれている3種類は安定して演奏が出来る楽器として作られております。

しかしこの3種類の材は、残念なことに各地に生育されている木が少なく絶滅危惧種に指定されているもの、

そして高価な材である為ギャングや反政府勢力などの資金源になりやすい為ワシントン条約で輸入の規制がされているものがあり、

入手することが難しくなっています。

ここでご紹介した木材はとても長い年月をかけて育ち伐採可能なサイズになるまでに半世紀以上かかってしまう物が多く、

いつかなくなってしまう未来が来てもおかしくないのかおもしれません。

素材(その他)

プラ管(ABS)

管体がプラスチックやラバーで作られるモデルで、気温や湿度による影響がなく扱いやすいものです。

ABS樹脂という物を使用しているモデルが一般的で、強度もあるので屋外などで演奏するのにも良く使われます。

音は、木の暖かみ、表現の豊かさは薄れると思いますが、息が入りやすく音も出しやすいので扱いやすいです。

グリーンライン

クランポンが開発製造している新素材で、グラナディラの加工時に出てくる端材を粉末状にし、カーボンなどと混ぜ合わせたものです。

やはり材が少なくなくなっている為に開発されているものですが、音は粘り強く、厚みのある音が特徴です。

こちらもグラナディラは使用していますが、気温、湿度などにはほとんど影響されない物になっております。

しかし、木材のように割れの修正が出来ない物なので、

落としてしまったり強い衝撃を与えてしまうことは木で出来ているものもそうですが避けましょう。

管だけではなくキィバランスにも影響が出てきてしまいます。



主要なメーカー

現在国内で使用されているメーカーでシェアが多いのは、

ヤマハ、クランポン、そしてセルマーの3社です。

この3社はグラナディラを使用した楽器が主体のメーカーです

他にもパトリコラなどグラナディラ以外の木材を扱うメーカーもございます。

吹奏楽でよく使用されているメーカーは

クランポンとヤマハです。

ヤマハ

ヤマハは楽器の粒がそろっていてまとまりのある音色、適度な抵抗感と豊かな響きが特徴的です。

主なラインナップとしては、2系統あります。

SEシリーズ

柔らかく、暖かみのある豊かな音色でパワフルな響きを求めたシリーズ。

内径のテーパーのかかりが大きくなっており、豊かで幅のある音色が特徴です。

最上位のアーティストモデルを筆頭に、

その下位モデルであるYCL-650にもカスタムシリーズのノウハウが詰まっているシリーズです。

SEベースのモデル

SEArtistModel、SEVmaster、YCL-853ⅡV、YCL-854ⅡV、YCL-853Ⅱ、YCL-650が

CSシリーズ

クリアな伸びのある音をコンセプトに内径のテーパーが少なく、

ストレートな管が長いためストレートで芯のあるクリアな音色が特徴です、

SEシリーズに比べ、内径がやや細めで、演奏時の抵抗感も強めになります。

抜けの良い音色ではっきりと演奏ができるので扱いやすい楽器だと思います。

CSベースのモデル

CSGⅢ、CSVmaster、YCL−852Ⅱ、YCL-851Ⅱ、YCL−450、YCL−255が

それぞれのモデルで音の表情は全く違いますが、求めている音色を求めるために、

どのモデルが近いのか、どういうセッティングでいい音が出るのか、

その選択の幅があります。

クランポン

クランポンは暖かみのある音色、豊かな表現力と空間を包み込むような響きが特徴的です。

こちらのメーカーも3種類のベースモデルがあり、好みの音色、抵抗感で選択できます。


R13

現代でも世界中で愛されているモデルで、プロからアマチュアの方まで幅広い層から

使用されているモデルです。

歴史も長く、R13は1955年に開発され今なお活躍しているモデルで、

真のある豊かな音色で全音域のバランスが良く柔軟で高い表現力のあるモデルです。

R13系のモデル

R13、Tosca(トスカ)、Vintage(ヴィンテージ)、Festival(フェスティバル)

RC

暖かく真のある音色、豊かな響きと均一なレスポンスの求められるモデルとして制作されました。

さらに近年ディヴィンヌディヴィンやアイコンベルの開発で得たノウハウでベルのデザインを一新。

より豊かな音色と響きを得られました。

RC系のモデル

RC、Divine(ディヴィンヌ)、Prestige(プレステージ)

Tradition(トラディション)

R13が開発される前のモデルBC20の内径に着想、R13、RCの内径をさらに進化させ、

“第3の内径”を持つBC20譲りの上質な音色とクリアで柔らかい音色、均一な音程が特徴のモデルです。

トスカに基づいたキィの配置がされ操作性も向上しています。

Tradition系のモデル

Tradition、Legend




まとめ

さまざまな素材でつくられているクラリネット、

どんな音色で演奏できて、どんな表現ができるのか実際に聴ける機会を得られたら、と思います。

材料の話だったり細かい内容でしたが、別の機会にそれぞれのモデルの特徴などを紹介してまいります。

次回は竹内の記事になります!おたのしみに




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