17品目 ブースターの使い方(上級編)

わびさびの世界です。





今回は「ブースターの使い方ってちゃんと説明出来ますか?」という観点で書いていきます。
あれです「前段」「後段」の話とかですね。
解説もしっかりと書いていきたいと思います。




まず、ブースターとは


2021年現在では「オーバードライブをブースターとして使用する」というのが最もポピュラーな例です。

エフェクターで歪み系と言えばディストーション、オーバードライブが浮かびますが、ブースターというのは一体どういった立ち位置かというと、思い切り歪ませる用途ではなく「ちょい足し」が大前提としてある気がします。
つまり、BOSS DS-1やライオットなどのよく歪むような機種はブースターとしてはピーキーになりやすい、という法則性が浮かんできます。
このディストーションという歪みエフェクターは基本的にはミドルが減少したり、もしくは上昇しないというような機種が多いです。
むしろ、ミドルが上昇するものはオーバードライブと呼ぶべきとなるでしょう。
また、踏むとノイズの嵐となるような機種も「正統派なブースター」とは言えなくなってきます。(ファズなど)
例えばですが「サビでちょい足し」「ソロでちょい足し」などで使用されるものが「ブースター」と呼べます。
オーバードライブはミドルが上昇し、歪みもちょい足しできるので、かなりブースターに向いた性格を持っています。
こうなると、90sのグランジなどに見られた、Aメロはクリーン→サビで激歪みという用途の場合は、ブースターではなく「ディストーション」と呼ぶべきでしょう。
そのほうが人に伝わりやすいかと思います。




どんな機種がブースター向きなのか


これはもうとにかく「音質変化がそこまで派手じゃないヤツ」というところに凝縮されるのではないでしょうか。
地味なほうが喜ばれるかもしれません。
簡単に書けばナチュラルなヤツです。
踏むとノイズがうるさい、アンプの音から乖離している、ミドルが減るような機種はブースターとしてはあまり喜ばれません。
変態的な効果が欲しい時は用途として合っていますが、いわゆる「正統派ブースター」というのはとにかく派手じゃないヤツが喜ばれる傾向にあります。
自分なりの表現で書けば「塩コショウ」のような存在です。
「塩ひとつまみ」でも良いでしょう。
そのひとつまみで美味しくなるような、地味だけど確実に美味しくなるような機種が正統派ブースターではないでしょうか。




クリーンブースターとオーバードライブについて

クリーンブースターというのは「歪ませずに音量を上げるヤツ」です。
これはクリーン~クランチサウンドを主とするようなジャンルで好まれます。
アンプのクリーンサウンドを出来るだけ歪ませずに「音量だけ上げたい」という時に使うことが多いですね。
ギターロックの場合、音量だけが上昇するとバンドのアンサンブルが破綻しやすいため、どのギタリストの足元にも入っているような機種ではないです。
クリーン~クランチが重要なジャンル、バンドで重宝されています。

オーバードライブは、通常の機種であればオンにすると少し歪みが乗ります。
それはゲインつまみをゼロにしたとしても、必ず歪みが少し乗ると思ってください。
ギターロックの場合、このようなオーバードライブのほうが圧倒的に使いやすいですね。
少し飽和するのでアンサンブルに馴染みやすいのです。
まさに塩コショウのような存在です。
中にはソースやケチャップもありますが、人気な機種は塩コショウのような「味を調えるよ~」という性格を持っている気がします。



ギター本体のボリュームがMAXよりも…

ブースターとしてオーバードライブを使用するときは、ギター本体のボリュームノブを10(MAX)ではなく、9や8などに落としている方が効果が分かりやすいんですよね。
10だとただノイジーになったり、音が潰れて汚いなどの効果になってしまうところが、9や8に下げているだけで「ドンッ」とまさにブースター効果として発揮されることが多いです。
例えるなら「踏むとギター本体のボーリュームノブが1目盛り上がる」ような効果が発揮できます。
非常に実戦的、というかオーバードライブというエフェクターの真価を聴く事が出来るので非常にオススメな使い方です。





ブースター掛けっぱなし

これ「もうひとつのブースター」ではないでしょうか。
いつもブースターは音量、音圧、歪みのアップダウンとして語られることが多いですが、アンプだけの音作りでは音がボヤけるような時は「ブースターを掛けっぱなしにする」という技が使用されます。
わりとメジャーな使い方です。
「アンプの歪みに常にちょい足し」と言えば伝わるでしょうか。
これはあるとないとでは大きく変わる場合が多いので、覚えておく価値があると思います。
出来るだけナチュラルなヤツ(ケンタウルスなど)だけではなく、チューブスクリーマーのような「カレー味」みたいな結構こってりしたものも効果的なので、思い描く音像に近い機種を探してみるのが良いでしょう。
フェンダーアンプにチューブスクリーマーを使用すると本当に音が整うので、シンプルに立ち返ってみることが重要だったりします。






前段、後段問題を解説


ここでは「メインの歪みエフェクターが足元にあってブースターをサビやソロで踏みたい」というシチュエーションを想像してみましょう。
例えばそうですね、ライオットがメインの歪みだとしましょう。
ブースターは何でもよいのですが、ここはベタにブルースドライバー(BD-2)にしておきましょう。
では、BD-2をライオットの前段に置くか、後段に置くか、どちらにしましょう。
ここで「どっちでも変わらないでしょ」と思った方はここの欄は要チェックです。

前段:ゲインアップ
後段:音量アップ

になります。
驚くほど効果が変わりますので、ここは適当にならずに、スタジオなどで試して決めるべきですね。
ちなみにクリーンブースターも同様で、前段に繋ぐとゲインアップの効果に変貌します。
マーシャルのゲインチャンネルではMXR micro ampなどのクリーンブースターがオーバードライブ化する現象はこれが要因です。



後段のほうが使いやすい説

自分は圧倒的に後段派なのですが、理由は音が濁りにくいからです。
前段にオーバードライブをブースターとして置くと、かなり濁ります。
ゲイン量がアップする代わりに、解像度は減る印象です。
様々なウェブサイトでは「前段が基本」として書かれているようですが、前段セッティングに使いにくさを感じているのは自分だけでしょうか。
もし「ブースターは前段に置くことが正しい」と思い込んでいる方がいましたら、是非とも後段を試してもらいたい気持ちがあります。
サビで踏む時のちょい足しとかだと、かなり役立つセッティングかと思います。



18Vよりも9Vのほうがナチュラルかもしれない


自分も以前は内部昇圧にハマっていて、9Vを内部昇圧で150Vに上げる機種などを使用していました。
圧倒的な音圧で良かったのですが、そういうのにハマって気づいたんですよね「9Vのわびさび」に。
真空管アンプ本来の音を活かせるのは150Vでも30Vでも18Vでもなかった、という話です。
内部昇圧のものは踏むと「バキューン!」てな感じでブーストされるのですが、アンサンブルにとっては案外「うるさすぎる」んですよね。
それでブースターは完全に「わびさび」の世界なんだと気づきました。
利休です、千利休です。
金閣寺じゃなくて銀閣寺の良さです。
これをわびさびというのです。

この精神があるから日本人がオーバードライブを生み出せたのかもしれません。

やはりノーマルなSD-1、BD-2、TS808、TS9、Honey Bee ODなどは素晴らしいブースターなのだと気づくことが出来たのです。




独断で選ぶおすすめ機種


もはや、みんな知っている機種を紹介していくことになるのは仕方のないことです。
なぜなら、良い音だからです。
色々こじらせて、辿り着くのはベタな機種だったりします。
そういうベタどころをちゃんと説明している記事も実は少ないので、どうか飛ばさずに読んでもらえたら嬉しいです。



BOSS SD-1


1981年発売のSUPER OverDrive。
初代OD-1は2ノブだったところにトーンノブを増設したモデル。
日本製時代などの初期モデルはオペアンプにJRC4558D(ローノイズ版の4558DDもある、かつ艶あり艶なしなど)を搭載しており、近年値上がりを見せている。
JRC4558D系が搭載されたSD-1はギターやアンプの特性を大きく変えることなくブーストする、まさに「塩コショウ」「塩ひとつまみ」を体現したサウンドとなっている。
言語化することも困難ではあるものの、オーバードライブがどうあるべきかを体現しているような素晴らしい音色である。
相性の悪いギターも特になく、ひたすら扱いやすい。
近年製のSD-1は、特に価格が大幅に下がったあたりからはハイの減少、飽和感の増加が見られる。
ナチュラルなブースト感には変わりないが、味付けが少しだけジャンキーになった印象である。
内部回路を見てみると、昔のものとは全く違う回路なので音色に違いがあって当然ではある。


BOSS OD-3


こちらは1997年発売、上記SD-1とは全く違ったサウンドを持つその名も「OverDrive」。
OD-1直系ではなくオペアンプを使わないディスクリート回路で設計されたオーバードライブ。
ゲイン量、音量の増加、低音の消失を出来るだけ抑えた重めの音色を持っており、例えばSD-1やTS9などのモディファイモデル(改造品)に近いような音色を聴くことが出来る。
近いところで言えばレクティークのマエストーソなどはシンパシーを感じる。(※マエストーソのほうが10年以上後出しではある)
踏むとガッツリ上がって欲しいという欲求がある場合はかなり相性の良い機種。
また、フェンダーアンプに常時オンの掛けっぱなしブースターとしても非常に秀逸で、その万能な性能を見せつけられる。



BOSS BD-2


BOSSの蒼い炎、Blues Driver。
BOSSラインナップの中でも最上位の人気を誇る。
このブログ内でもBD-2のみを取り上げた記事が存在する。
その中でも語った通り、TS9やSD-1とは全く異なる中高音のブーストが特徴で、1995年に発売から現在に至るまでバンドサウンドにマッチし続ける明るい音色を提供してくれる。
歪みの粒子が粗く、かつトーンもギャリギャリとしているので、設定には慣れが必要ながら、ツボを知るとこれ以上ない強い味方となる。
JC-120で使用すると、フェンダー・ツイードアンプのような粒が粗いダーティなサウンドが簡単に手に入る。
「ブルース」の名を持つ意味がここでようやく飲み込めるということになる。
ネットでは「前段安定」とあるが、後段にした時の突き抜ける音は他の機種ではなかなか得られない。
また、ギター本体のボリュームを若干下げているほうが圧倒的に使いやすい機種でもある。



Maxon OD9

Ibanez TS9の本家本元、日伸音波(Maxon)が開発した銘オーバードライブ。
開発、設計はマクソンが行っており、全くの別会社であるIbanez(星野楽器)が「チューブスクリーマー」という名称を使って海外向けに販売していた。
なので、こちらの機種はチューブスクリーマーとは呼称しない。
現在、製造は別であるが、約20年前にはIbanez TS9の製造もマクソンが行っていた
つまり中身はチューブスクリーマーとほぼ同じ、いやこの書き方が失礼にあたる。
「チューブスクリーマーはマクソンのOD9と同じ回路」と記載すべきだ。
見た目も両者そっくりであるが、やはり本物が欲しい、と思えたならばこちらの「Maxon OD9」がオススメ。
現行のOD9はトゥルーバイパス仕様、Ibanezよりも視認しやすい明るいLEDランプ、オペアンプにNJM4558D(JRC4558D)を採用。
TS9よりもヴィンテージのサウンドを追求した素晴らしい逸品である。
基本的な音としては、ナチュラルではあるが、オンにすると高音と低音が落ち、中音がブーストされる。
歪みの質もBOSSのようにパリパリとはしておらず、マイルドで粘度が高い。
また、冷静に聴いてみるとアンプのような歪みを持っていることが分かる。
JC-120は勿論、クリーンなフェンダーアンプに掛けっぱなしの際でもCDで聴いたような「これぞ」という音色を聴くことが出来る。
歪まないアンプですらも射程圏内に入ってしまう超が付く万能機種と言える。

「歪みはMaxon」という言葉がある。
それは現在でも変わってなどいないはずだ。



Maxon OD808

通称ヤオヤ。
筐体がMXRサイズとなっており、軽量かつ裏面にマジックテープも張りやすい。
OD9よりも古いモデルであり、中音域がより荒々しく少しコリコリとしたニュアンスを感じる。
OD9のほうがよりナチュラルなトーンレンジを持っているものの、やはりどちらも甲乙つけ難い。
最終的に好みの問題となる。
クラシックで柔らかいニュアンスを求めるなら断然ヤオヤかもしれない。
ちなみにOD808はバッファードバイパス仕様となっている。




Maxon OOD9

現行マクソンの中でも隠れた名器となるのがこの「Organic Overdrive」OOD9。
トーン回路を持たない2ノブの超シンプルなオーバードライブだが、マーシャルなどの歪み回路を持つアンプとすこぶる相性が良く、マクソンのセンスには驚きを隠せない。
低音の消失はあるものの、バンドアンサンブルにおいては不要になりやすい低音域のため、全体的なバランスとして聴くと整っている。
オーガニックと名を持つが、歪みの粒子はやや粗め、ドライブゼロでも少し歪むので、クリーンブースター的な使い方はオススメ出来ない。
ゲインチャンネルを持つアンプへの「掛けっぱなしブースター」としてもかなり優秀。
ただし、クリーンなJC-120やトラッドなフェンダーアンプではパリパリとした音になりやすいため、少々良さが分かりにくい可能性がある。




Ibanez TS808 & TS9


マクソンが開発したオーバードライブのアイバニーズ・バージョンであり名称を「チューブ・スクリーマー」としている。
上記にもある通り、高音と低音の消失、中音の上昇、柔らかいナチュラルな歪み感が特徴的なオーバードライブ。
TS808(通称ヤオヤ)は、TS9よりも古い機種となり、より中音域に癖のあるクラシカルなドライブサウンドが特徴。
TS9のほうが万能な音色を持つが、どちらも甲乙つけ難い。
現行品のオペアンプはTA7558P。
また、TS9、TS808はオフの時でも信号をローインピーダンス化出来るバッファード・バイパスとなっている。




MXR GT-OD

元々はザック・ワイルド氏のシグネイチャーモデルだったが、レギュラーラインとして生まれ変わり、商品名と見た目を変更して登場したモデル。
最初はMXR Custom shopのロゴがあったが、途中から無くなった。
それに伴い、筐体の緑色も少し変更された。
また、3つのノブを取り外し、内部回路を開けると隠れたスイッチがあり、それをオンにすると低音が大幅に強化される。※かなり上昇するので冷静な判断が必要。
それをオフにした通常状態では、高級なTSモディファイに見られるような、よりシャープに整えられたトーンバランスを持っており、簡単にカッコイイ音が聴ける。
変に癖がなくそのまま上がるようなブースターをお探しであれば素晴らしい味方となってくれる。
ただこの機種、使用人口がそこまで多くないため、あまり有名ではないかもしれない。
しかしながら、良いオーバードライブは何か、という問いにしっかりと答えてくれている優秀なモデルである。
もし使用者側の音作りの技量が低くとも、GT-ODであれば失敗しにくいので、真の安定機種と呼べるかもしれない。



MXR micro amp



MXR黎明期から現在まで製造され続けているクリーンブースターの超定番、マイクロアンプ。
1ノブで音量の上下のみだが、様々な使用方法がある。
歪みの前段に繋げばゲインアンプのオーバードライブとして、後段に繋げば音量アップのクリーンブースターとして使用可能。
また、マーシャルなどのゲインチャンネルに繋げば、前段も後段も関係なくゲインアップのオーバードライブとなる。
オンにすると超低音の成分が消失するため、完全に音量だけを上下するというわけではないが、癖が少ない音なので非常に使いやすい。
なお、ヴィンテージのmicro ampは筐体中央にLEDインジケーターが無いので簡単に見分けることが出来る。



MAD PROFESSOR Sweet Honey Overdrive (Factory)



BJFE Honey Bee ODを基に設計された、マッドプロフェッサー(通称マップロ)のスイートハニーオーバードライブ。
BOSSやTS系から離れた存在となっている。
2002年冬、まずBJFE Honey Bee ODが発売されると、その派手すぎない「ひとつまみの塩」のような素材を活かしたブースト効果は瞬く間にオーバードライブのスタンダードとなる。
その後、ベアフットやマッドプロフェッサーからBJFEの遺伝子を受け継いだエフェクターたちが発売される。
その中の一つがこのSweet Honey Overdriveである。
ハンドワイヤード(手作業)で製作されたかなり高額なモデルも存在するが、このプリント基板を用いたFactoryモデルは比較的安価。
もちろん性能も良い。
元々、BJFE Honey Bee ODはヴィンテージ・スプロアンプのオーバードライブサウンドにインスパイアされたものとされるが、当然このスイートハニーもその遺伝子を継いでいる。
ただ、この機種単体で歪みを作るというよりは、ドライブした、もしくはクランチのフルチューブアンプへのブースターとして使用した際の音にアイデンティティを感じる。
万能と言えば万能なのだが、アンプのセッティングをおろそかにしていると良い音にならないことが多い。
また、ギター本体のボリュームが10(MAX)の際は、効果がよく分からない、という結果になる事がある。
9や8に設定していると、まさに「本体ボリュームが1目盛り上がる」ようなナチュラルな効果を得ることが出来る。
BOSSやTSのように簡単にまとめてくれる機種ではなく、使用者側がしっかりしていなければ良い音をもたらしてくれない、という責任感を育ててくれるような機種である。



KLON CENTAUR(ケンタウルス)


ここで書くような簡単な内容ではない、まるで魔境に住んでいるようなエフェクターである。
(※シルバー・ノンプリントのケンタウルスは試奏経験あり)
ビル・フィネガン氏によるハンドメイド・エフェクターであること、9V→18Vへの内部昇圧、3ノブの基本的なコントロールであること、そしてナチュラルでワイドレンジなオーバードライブサウンドであることは明記出来る。
ケンタウルスもはやビル・フィネガン氏の「作品」と言うべきだと思える。
このエフェクターだけで記事が書けてしまうくらいには深遠な内容である。
シルバー・ノンプリントのケンタウルスを弾いた感想は、強い音圧感だった。
歪ませる、というよりは電流の通り道を拡張させたかのようなレンジの広さを覚えている。
プリ管を内蔵した150V、200Vなどの内部昇圧系エフェクター、もしくはレクティークのCLHD(30Vへの内部昇圧)などが持つニュアンスはそう遠くない。
しかしながら、他のケンタウルスはどうなのかは全く知らないので、ここで容易に語る事は赦されないだろう。




EARTHQUAKER DEVICES Plumes


米国のエフェクターブランド、アースクエイカーデバイセス(EQD)による万能オーバードライブ「プルームス」。
EQDであれば3万円ぐらいするのでは、と想像するところではあるが、プルームスは約1万5千円とだいぶリーズナブルな価格である。
というか性能を鑑みれば衝撃的な低価格である。
基本としてはTS系を目指したODと言われているが、スイッチを右に倒した時のモード3は確かにTS的なニュアンスを感じる。
これはクリッピングを変更するスイッチで、右に倒したモード3は非対称クリッピングであるからだ。
他のモードの時はTSのニュアンスはあまり感じず、いわゆるトランスペアレント系であるように思う。
ブースターとして使用することも前提としているのか、とにかくナチュラルで、そのまま上がるというか、痒いところに手が届くというか、かなりセンスが良い。
ローノイズであるし、ゲイン量も稼ぐことが出来るし、これはまさに万能機種と呼べる。
音圧や音量は派手に上がったりするので「塩コショウ」というよりかは例えば「ケチャップ」や「マヨネーズ」というような印象がある。
なお、エフェクター通であればプルームスを知っているが、日本での知名度はまだまだ低い気がする。
どうやら米国ではかなり人気だという話もあるので、強い宣伝があれば我が国でもそのうちスタンダードとして認知される日が来るかもしれない。



Xotic EP Booster


EPとは「エコープレックス」を指し、1960年代などによく使用されていたテープエコーマシンのことである。
そのエコープレックスのプリアンプ部をイメージしたというのがこのEPブースター。
ただし、再現ではない、という点にはしっかりと理解していなければならない。
エコーマシンに繋ぐと音が太くなった、という話があるが、ほとんどの場合は「ハイ落ち」が発生していて、その効果が「太くなった」という解釈に繋がっている。
EPブースターはハイ落ちを再現したのではなく、本当に低音を強化してみた、という機種である。
ちなみに裏蓋を開けると調整は可能である。
基本的にはクリーンブースターであり、前段、後段で大きく印象が変わる。
もちろん繋ぐアンプでも随分と音の印象が違う。
ボーカリストよりもギタリストに好まれるような低音のレンジを持っているため、やはりオンにした際の音圧感は強い。
ノイズも少なく、ナチュラルであるため、フェンダーアンプのクリーンサウンドを活かしたい時などには鬼に金棒となる。




Leqtique Maestro

ターコイズカラーの筐体が非常に美しいレクティークの「マエストロ」
通称「MAR」。
白いノブの「マエストーソ」ではなく、黒いノブの「マエストロ」である。
このマエストロはIbanez TS10の音色を再現しており、かつ新品価格2万円では考えられないクオリティを持っていた。
現在、ゲイン量を増大させた復刻版などが存在しているが、それも頻繁には置いておらず少々入手に時間がかかるエフェクターではある。
もちろん、オリジナルMARの場合は、入手困難と言えるだろう。
白いノブのマエストーソは「歪みや音量が強化されたモディファイ系TS」であり、こちらのマエストロ(オリジナル)はシンプルなTS10の再現となっている。
もちろんマエストーソも素晴らしすぎるエフェクターではあるが、この記事ではマエストロについて説明していく。

音としては、非常に扱いやすいTSオーバードライブ、ということにはなるのだが、その「わびさび」のセンスに関しては見事である他ない。
ここまで洗練されたオーバードライブもなかなか頻繁にはないだろう。
TS9の丸い高音域をほんの少しシャープにしたような、カレー味というよりはソースかもしれない、いや、もはや喩えは何でも良い。
とにかく派手過ぎず薄すぎずバランスが良い。
BOSSやMaxonにも言える事だが、日本らしい「わびさび」の精神が感じられるのだ。
同時に北欧出身のBJFE Honey Bee ODのような、アンプのセッティングや使用者側の能力によって音色が左右される要素も感じられるが、素体がTS10であるため随分と融通が利く。
マーシャルなどの歪むアンプだけでなく、どクリーンなJC-120やツインリバーブも射程圏内に収め、万能であることをこれでもかと見せつけてくれる。
ちなみに設計者はShun Nokina氏、日本人である。






総評:ブースターは「わびさび」の心


いやぁ、今回も長くなりすぎましたね笑
良いブースターと出逢えるまでは日々鍛錬が必要です。
エフェクターの本質を理解できる瞬間が訪れることを祈ります。
最後まで読んで頂きありがとうございました。




記事に掲載されている情報は、掲載時点の情報です。イベント情報、商品情報、在庫状況など、掲載時点以降に変更になっている場合もありますので、あらかじめご了承ください。

コメントを書く

必ずお読みください

  • コメントを送信すると、名前・本文に入力した内容がこのページ上に表示され、どなたからでも見える状態となります。
  • 不特定多数の方が閲覧する可能性がありますので、電話番号・メールアドレス等の個人情報は書き込まないようご注意ください。
  • 個人の特定につながる内容が記載されている場合はコメントを削除させていただきます。その他コメントガイドラインについてはこちらをご覧ください。(新規タブで開きます)
  • HTMLは使用できません。