13品目 ギターボーカルのための音作り指南

アンプの音量、一度下げてみては?







今回はギターボーカル(以下ギタボ)の音作りってどうしてる?という回になります。
自分自身がギタボなのでこういう記事を書いたほうが価値があるのでは、と思いました。
エレキギターの音作りの指南書、解説サイトなど色々ありますが、大半はギターでメロディを弾く、言うならばリードギター用の音作りなのではないでしょうか。
僕が見てきた限りではそんな感じのものが多いです。
歪みエフェクターのレビューもギタボ視点があまりなく「ヌケのよいサウンド、ロングサステイン」みたいなリードギター向けの感想が多くないでしょうか。

そんなわけで、今回はギタボ用の音作り解説回にしたいと思います。



自分の声を知る


まず大前提として、ギターボーカルは歌声ありきなので、声について少し考えなければなりません。
例えばスタジオに入ってバンドで練習する時、自分の声が全然聴こえない、叫んでも叫んでも聴こえない、帰るころにはクタクタで声もガサガサ、という経験はないでしょうか。
実はもうこの時点で何かがおかしい、ということになります。
マイクが悪いのか、それともスピーカーや、ミキサーなどの設備、環境が悪いのか。
もしかしたら本当にそれもあるかもしれませんが、結局よくあるのは「ギターの音量デカすぎ問題」です。
ギターの音量がデカすぎると当然声は聴こえなくなります。
しかも狭い個室でドラムに負けないように爆音を鳴らすと、当然のごとく声は消えます。
「アンプの音量デカすぎた」と思って音量を下げると、次は「ギターの音モコモコ問題」が出てきます。
大体の場合、アンプのイコライザーの設定をミスってたりします。
もしくはラウドネス効果で耳がヤラれている場合も多いです。
そこで重要になるのは「自分の声ってどんな音質なんだろうか」と考察してみることです。
つまり、自分の声に被らない音を作ることができれば最高ということですね。



人間の声は高、中、低のどこなのか

人間の声は、男女ありますが、どちらにせよ中音域(ミドル)になります。
ミドルは例えるならどんな音ですか、と聞かれたら、ドラムのスネアの音、日常で言えばお風呂場で桶を置いた時の「コンッ」という耳につくあの感じです。
ミドルは上げすぎると耳や体にはあまりよくない音域です。
いきなり物が倒れて「バンッ!」と響いたとしましょう。
恐らくびっくりして体が飛び上がるのではないでしょうか。
あれが中音域、ミドルです。
ボーカルは自身の持つミドルの音域をを死守しなければ、叫んでも叫んでも歌メロも歌詞も観客には届きません。
それと同時に、ギタボ1人の問題ではなく、ツインギターであればリードギターにも、そしてベースにも「声は食わないようにミドルをほどほどにして音を作って欲しい」とメンバーに伝えなければ、どちらにしても声はかき消されてしまいます。
もうすでに声の音域をあけてくれている場合は、視野が広くてとても心優しいメンバーであると思います。

ボーカルの音域をあける方法は簡単に分けると3つ。

1、アンプの音量を下げる。
2、アンプのミドルを下げる。
3、ギター本体のボリュームを絞る。

これ全てをやってみて上手くいく方法もあるし、どれかをやってみたら解決する、という場合もあります。
1と2は上記で説明してますが、3を説明しますとギター本体のボリュームが10の状態だと実はベリーハードモードだったりすることもあるので、一度試す価値はあります。
3に関しては、やはり良質なパーツを使用したギターのほうがボリュームを絞った際に音が良かったりします。
例えばギター本体のボリュームを8に落とすと、ほとんどの場合は高音域が落ちるのでそこをアンプのつまみで補強してあげるだけで、ボーカルの音域を食わない音作りが完成したりするので、やってみる価値はあります。
この方法で上手くいった場合、もしかするとボリュームが10ということはほとんどなくなっていくかもしれません。



喋り声が聴き取れない、ということは

歌声となると想像しにくくなるのですが、喋り声を想像してみると急に分かりやすくなったりします。
例えばギターで、Eコードでも何でも大丈夫なのでジャカジャカと弾きながら喋ってみてください。
もちろん、アンプを鳴らしてです。
それで喋り声が全く分からない、ということは声の音域にギターがめちゃくちゃ被っているということになります。
つまり、会話が出来たら歌声も聴き取れる、ということですね。
うまいこと行けば、マイクを通さなくても普通に会話できますので、そうなれば歌うのが非常に楽になります。
自分も含め、歌モノのギターロックバンドが多いかと思いますが、必死で叫ばなくても余裕で歌えているバンドは、やはり聴いていて安心感がありますよね。
女性ボーカルの時は余計に気を付けた方がいいですね。
全員が全員、声を張れるわけではないので、音作りでしっかりボーカルの音域をあけるとアンサンブルが綺麗になり、劇的に歌いやすくもなります。




アンプのミドルを下げると音がショボくなる?

ミドルはエレキギターにとって主となる音域のため、ミドルを下げると音がショボくなる、というイメージがあるかもしれませんが、一度ミドルを下げてみてください。
その後、トレブル(高音)で音の輪郭をハッキリさせて、低音もぼちぼちぐらいにしてみると、意外と聴こえ方は普通だったりします。
これは、エレキギターがミドルぐらいしか持っていないから起こることです。
もちろん、ギターによって低音がよく出たり出なかったりするものの、シングルコイルにしてもハムバッカーにしても、出ているのはミドルになります。
シングルコイルですら、結局ハイミドルが出ています。
ですので、アンプでモリモリに足さなくても充分だったりすることがあります。
さすがにマーシャルやフェンダーアンプでミドルゼロ、はスカスカに感じるかもしれませんが、JC-120ではミドルゼロでもギタボにとって良い音になったりします。
しかも、足元のオーバードライブで歪みを作っている場合、そのエフェクターによってミドルが上昇しているため、充分すぎるぐらいのミドル量になっていたりします。



アンサンブルの総ミドル量を考えると…

ミドルを司る楽器は、歌モノのギターロックバンドだと何になるのか考えたことはあるでしょうか。

まずはボーカルですね。
ここは絶対的な領域で不可侵領域みたいな感じです。
次にギターです。
シングルコイル、ハムバッカー問いません。
次にベースです。
ベースは低音と同時に中音も出ます。
ピック弾きが顕著でしょうか。
次にスネアとタムです。
これも材質などは問いません。

いかがでしょうか。
ミドルの大渋滞です。
ここにキーボードも入ったらどうなるでしょうか。
まさに大渋滞ですね。
ギターアンプのミドルを無闇に上げすぎるとどうなるか、少し分かってきたかもしれません。
しかも、ギターボーカルですから、コード弾きで空間を埋めることがほとんどのはずです。
自分の声は不可侵領域みたいな存在ですから、自らその守るべき絶対の領域に攻め入っていくのは無謀ではないか、と僕は思えます。
つまり、自分から歌いにくい音作りをして大丈夫なのか、と感じるのです。




ギタボの音作りのコツ


これはジャンルにもよりますが、ほとんどのギタボは自分の声や歌詞を聴かせたいと思っているのではないでしょうか。
そのためには、音量を控えめにすることが最も重要なコツであるかと思います。
ギターの音デカい!→カッコイイ!というイメージは確かに分かりやすいですが、基本的にはギターやってるやつじゃないとそういう感情にはなりにくいのが現実です。
恐らくほとんどの観客は「歌が聴こえない」という感想で終わってしまうでしょう。
また、ライブの場合、アンプの音量を爆上げしないほうがPAさんにとってはコントロールしやすいので、音量をほどほどにすることがやはり最も手っ取り早いコツです。
PAさんからしたら、小さい音量を大きくすることはできるが、デカすぎる音量を下げることはできない、という状況に陥るからです。

次に、例えばJC-120を使用している際は、ミドルのつまみを一旦ゼロにしてみることもコツだったりします。
マーシャルやフェンダーアンプの場合は違います。
とにかくJC-120は音抜けが良すぎるので、ミドルを極端に上げると声に被りまくります。
そしてギタボはバッキング(ジャカジャカとコード弾き)するので、めちゃくちゃうるさくなってしまいます。
しかもそこにブルースドライバーやチューブスクリーマーなどのオーバードライブを足していたらもうミドル祭りですね。
こうなると自分の声をかき消してしまう要素は充分揃っているので、アンプのミドルつまみはもう不要になってきます。

ミドルゼロなんかにしたらドンシャリになる、と思う方がおられるかもしれませんが、それは心配しすぎです。
意外とまとまります。
足りないな、と思えばつまみを上げれば大丈夫です。
最終的には「その日のバンドアンサンブルに合っているかどうか」が重要ですので、あまり凝り固まらずにTPOによってつまみの位置は変えましょう。



↓JC-120、ロー挿しにて、音作りの一例。

↑音量やイコライザーの設定はTPOによって変わります。




どんな歪みエフェクターがおすすめか

エフェクターの音色に関しては完全に好みでして、実はアンプのセッティングさえしっかりしていれば、ほとんどの歪みエフェクターはいけるはずです。
この記事でさんざん「ミドルはそこまでいらない」と説明してきましたが、例えばBOSS DS-1などで見られるミドルカットするタイプのディストーションだと、確かに歌いやすいけどスカスカでコシが無い、バンドに合っていない、と感じたらその音はあまり良くないのかもしれません。
オーバードライブは、ほとんどのものがミドルブーストの作用を持っているのですが、アンプのセッティングをしっかりしていれば歌の邪魔はしてこない音になります。
やはり、アンプ側の音量がデカすぎる、ミドルがモリモリの場合、やはり歌を食ってきます。
なので、エフェクターの選択は非常に自由がありますが、やはりアンプの音作りはしっかり考えていた方が良さそうです。
アンプのイコライザーを全て12時に設定しても、結局は音量が重要です。
アンプのマスターボリュームがデカすぎると歌を食うことになります。
これはもちろん、リードギターにもベースにも言えることです。




総評:音量は下げた方がいいゼ…


そうですね、もう今回の記事は音量とミドルの上げすぎには気を付けた方がいいです、という話に尽きますね。
それでけで一気に歌いやすくなることが多いです。
リードギターの場合は、ミドルは下げなくても音量を下げるだけで解決したりします。
こんなことを書くと怒られそうですが、ほとんどの観客はギターの音より歌のほうが気になってますし、爆音が苦手な観客もいますし、少しだけ視野を広げて配慮してあげるだけで、色々解決するかもしれません。
また、音を作るときは立たずにしゃがんで音作りするのがおすすめです。
スピーカーの高さまで頭を下げてみてください。
思った以上に耳に悪い音を作ってしまっている可能性があります。
突発性難聴などには充分気を付けてくださいね。







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