8品目 エレキギター弦の選び方

弦は非常に重要な「機材」の一つ。






こんにちは!
三宮オーパ店の重信です。
今回はエレキギター弦編として「各メーカーの違い」についての研究結果を掲載したいと思います。
ここでこう書いているからこれが正しいとは言いませんので、好きなものを使用するのが良いかと思いますが、弦の違いなんて考えたこともないという方はご参考程度に見て頂ければ幸いです。





まず「弦の選び方」ってどういう基準か


※今回はエレキギターの内容になっているので、アコギには当てはまりません。


弦を選ぶときに必ず見なければならないのが、ゲージ(太さ)の表記です。
日本では一般的には09-42(ぜろきゅうよんにー)、10-46(いちぜろよんろく)などと呼称します。
09が1弦で42が6弦の太さを指しています。(10-46などほぼ全ての表記も同様)

「ライトゲージ」「レギュラーゲージ」という呼び方をする方がおられますが、メーカーによって呼び方がまちまち過ぎて、相手に伝わらずトラブルになってしまうことがあります。
当然トラブルは避けたほうが良いので、09-42、10-46などの数字での呼び方が断然オススメです。

ではこのゲージ(太さ)は、何を基準にして選べばよいのか。
これはギターの種類によって変わってくるので、「使用しているギターのモデルは何か」という情報の把握が極めて重要になってくるのです。
弦の太さは、ギターのスケール(ナットからブリッジの駒までの距離)で適正なものが変わります。
分かりやすく書くと「ギターの長さがモデルによって違うので弦の太さもそれに合ったやつを選ぶ」ということになります。
持っているギターを把握していないと丁度良いものは店員さんでも分からないということになります。




↓弦の太さを表す09-42、10-46の表記。

↑1弦が09、6弦が42のセットであることを示している。10-46も同様。



大きく分けて「ロングスケール」「ミディアムスケール」「ショートスケール」でゲージが変わります。
しかしながら単純な話ではなく、やはりモデルによって弾きやすさが変わってくるので、把握しておくことが重要です。
まず、大きく分けて3つに分類してみましょう。

・ロングスケール 適正 【09-42】
・ミディアムスケール 適正 【10-46】
・ショートスケール 適正 【11-49】

これが大きな目安になっていきます。
また、これは適正なだけで強制力はありません。
もはや適当でも良いぐらいです。
しかし、物理学的な視点を加えるとなぜ適正なのかが見えてきます。
これは教養として知っておくと、今後の弦の買い物が楽しくなります。

難しく説明すると意味がないので、かなりかいつまんで説明すると、ロングスケールは弦を引っ張る力が強いので、11-49など弦が太いと指が痛く弾きにくく感じやすいです。
逆にショートスケールは弦を引っ張る力が弱いので、09-42などの細い弦を張ると弦振動が安定せず乱舞してフレットに当たってビビりやすくなります。


・ロングスケールの代表例

テレキャスター、ストラトキャスター、ジャズマスター、その他フロイドローズ搭載系、アイバニーズやシェクターなどのストラトシェイプ

・ミディアムスケールの代表例

レスポール、SG、ホロウボディ全般、フェンダー・サイクロン、フェンダー・SSHレイアウトのエアロダインSTなど

・ショートスケールの代表例

ジャガー、ムスタング(デュオソニックやミュージックマスター)など


フェンダー系はロングスケールのギターが多いです。
SSHレイアウトのエアロダインなどを除き、STシェイプはほとんどがロングスケールで、09-42を張ると適正なテンション感になります。
ギブソン系はほとんどがミディアムスケールになっており、10-46や09-46などのゲージが一般的です。

ここで重要なのが「適正な太さを張らなければならない」というわけではなく、もう少し太い音が欲しいと思ったらストラトに10-46を張る、もう少し弾きやすくしたいと思ったらレスポールに09-42を張るのも大丈夫だということです。
注意点は、弦の太さを変えてみた、という際はネックのトラスロッドの調整しないといけません。
弦の張力が変わるということはネックの反り方が変わるということになるのです。
ストラトの場合はブリッジのトレモロスプリングの調整も必要です。


そして、ロングスケールは09-42が適正と書きましたが、ジャズマスターの場合は10-46が適正なテンションバランスとなります。
これはジャズマスターの構造の問題で、テレキャスターやストラトキャスターは裏通しで弦を張るのですが、ジャズマスターは角度の緩いフローティングトレモロの機構で弦を張るため、09-42ではテンションが弱すぎて弦落ちする可能性が非常に高いので要注意。
そして、バズストップバーやムスタングブリッジを搭載していても根本的にテンションが足りず、音がビビりやすくなるので10-46や09-46あたりがおすすめです。

※ロングとミディアムの中間を狙った635mm(25インチ)スケールを採用しているPRS(Paul Reed Smith)の場合、09-42でも10-46でも違和感を感じにくい設計になっているため、特殊な存在として認識しておいた方がよいです。



ですが結局は「自分にとって弾きやすい」という感覚のほうが絶対的に優先で、上記の知識を身につけたうえで好みのゲージを選んでいるとしたら、それが正解になります。




エレキギターの弦、メーカーで何が違うのか



有名なメーカーのエレキ弦を詳しく解説。



D'Addario(ダダリオ)



エレキ弦として「世界のスタンダード」と呼称して問題ないかと思います。
ギター用アクセサリーも多数販売していますが、ダダリオと聞けば弦を思い浮かべる人がほとんどだと思います。
また、工場出荷時の弦で使用されていることも多く、いわば「基準」として認識しておくことは後々に重要となってくるかもしれません。(アンプで言えばマーシャルやJC-120などに近い存在)

特徴は安定した商品供給と、ブライトでヌケてくる音色、中庸なテンション感です。
中庸なテンション感、と書いてしまえば何をもって普通であるのかと疑問を抱くと思いますが、弦のテンション感は感覚的な部分のほうが大きいので「ダダリオのテンション感は強くもなく弱くもない、普通なんだな」とおおざっぱに解釈してもらえれば大丈夫です。
また「テンション感」は単純に「弦の柔らかさ」という解釈でも問題ないと思います。

次に錆び耐性について、演奏頻度の基準は「毎日ではないがたまに何時間か弾く」にしています。
つまり、部活、サークル、営業活動などで頻繁に演奏する場合、より早く弦が死ぬということになります。
ちなみにダダリオの弦の寿命は、あまり弾かない場合でも3ヶ月もすれば酸化してきて傷むことにより、本来のブライトなトーンは消えて曇った音になっていきます。

【ブライトさ】★★★☆☆
【テンション感】★★★☆☆
【錆び耐性】★★☆☆☆(約1~3ヶ月)
【備考】まずは基準としてダダリオの弾き心地を知っておくと自分の好みを把握しやすい。


ERNIE BALL (アーニーボール)



ダダリオと並ぶ世界のスタンダード。
商品名は「スリンキー」と呼びます。
ただし「スリンキー」で通じる場面は滅多にないので「アーニーの弦」とかが一番伝わりやすいです。
最たる特徴は柔らかいテンション感で、有名な弦の中でトップクラスに柔らかいです。
チョーキングを多用するプレイヤーに好まれやすいかもしれません。
柔らかいわりに音もブライトでバランスの良い弦です。
歪みとの相性も良く分離感があって心地よい音になります。
これはよく知られていることですが、錆び耐性が低いので練習や活動を熱心にしているプレイヤーだと1ヵ月もすれば交換が必要になってきます。
ライブをすれば1ライブで終わる(交換になる)こともザラです。
ただ、現在は真空パックのパッケージで販売しているので、20~30年前の錆びやすさと比べるとずいぶんマシであると思えます。
そして、ダダリオでもアーニーでもなんでも、裸の弦はすぐ寿命が来るので神経質に考えすぎなくて良いかと思います。
言ってしまえばどの弦も錆びるときは錆びます。
本当に素晴らしい弦なので、張ったことないという方は一度試す価値は大いにあり。

【ブライトさ】★★★★☆
【テンション感】★★☆☆☆
【錆び耐性】★☆☆☆☆(約1~2ヶ月)
【備考】張りたてはブライトな音、数週間後には落ちてくる。



Elixir(エリクサー)



巻き弦にはコーティング、プレーン弦はAnti-Rust(アンチ・ラスト)加工が施された異常に長持ちする弦。
一度ハマるとなかなか裸の弦には戻れないことで有名。
実際、自分もエリクサーを長年使用していた者です。
どのぐらい長持ちするかというと、弦交換のタイミングを見失うレベルには錆びません。
特に黄緑色のラベル【オプティウェブ】に関してはいつ弦交換したか全く思い出せなくなります。
エリクサーには実は種類があり、コーティングの分厚さが分けられています。

・青のラベル【ポリウェブ】
・オレンジのラベル【ナノウェブ】
・黄緑のラベル【オプティウェブ】

コーティングぶ厚い【ポリウェブ】→【ナノウェブ】→【オプティウェブ】コーティング薄い

という構図になります。
また、最初のモデルが【ポリウェブ】で、最新のモデルが【オプティウェブ】です。
コーティングがぶ厚かった【ポリウェブ】は、ピックで弾いているとコーティングがささくれて見た目が汚くなりがちでした。
それを踏まえて開発されたのが2作目【ナノウェブ】でした。
これでも相当完成度が高かったのですが、やはりピックでのささくれは仕方がないものでした。
この長きにわたるささくれ問題を解決するために登場したのが3作目【オプティウェブ】。
これになるとコーティングされているのかどうか分からないレベルの薄さです。
ささくれも気になりません。
驚くことにコーティングの薄い【オプティウェブ】の方が長持ちします。

ちなみにエリクサーのプレーン弦は厳密にはコーティング弦ではなく「耐腐食加工」が施されたアンチラスト弦です。
これは弦が硬めでテンションが強いので、特にアーニーフリークからすると弾きにくいかもしれません。
ただ、弦が硬いといっても限度があるので「弾けたもんじゃない」という意味ではありません。
ぼちぼち硬い、ぐらいなのでご安心を。

そして、弦がコーティングされていることで、弦の滑りが抜群に良いという恩恵があります。(プレーン弦も耐腐食加工により手触りがスベスベです)


エリクサーは「演奏する機会が多い」「弦代を浮かせたい」「弦交換が面倒」「フィンガーイーズを使いたくない」というプレイヤーには最適です。
金額は他の弦よりも高いですが、回りまわってお財布にエコ、結局安くつくので特に学生さん、そしてバンドマンにはおすすめです。



【ブライトさ】★★☆☆☆
【テンション感】★★★★☆
【錆び耐性】★★★★★(約ピーヵ月)
【備考】ブライトさは長期間保たれます。異常に長持ちします。




ghs(ジー・エイチ・エス)




商品名は「ブーマーズ」といいます。
アーニーと同じくあまり伝わらないのでghsと言うのが一般的です。
ダダリオ、アーニーと比べると弦がやや硬めでテンションが強い弦です。
エリクサーと似たテンション感で、こちらもやはりぼちぼち硬いという印象。
ブライトでコシがある元気な音色。
弦がしっかりしているため歪ませた時にも分離感が良く、アルペジオでも濁りにくいです。
「とりあえずダダリオ、とりあえずアーニー」という方にはあまり馴染みのない弦かもしれませんが、かなり支持を得ている弦です。
(自分もソリッドギターに使用しています)

商品説明に「ラウンドコアに、ニッケルメッキスチールをタイトに巻きつけ作成された、ラウンドワウンド弦です」とありますが、なんのことか説明します笑
「ラウンドコア」というのは丸い芯ということになります。
実はダダリオなどの一般的な巻き弦は芯線が六角形になっています。
これは巻き弦にするときに巻き付きやすいからそうなっています。
しかし、ghsは楕円形の芯線を採用しており、他のメーカーと違う構造をしています。
それがどうした、という内容ですが、若干音の違いがあっても不思議ではありません。

これはあまり知られていない情報になりますが、裸の弦のわりに錆び耐性が高いほうです。
価格はダダリオやアーニーと大差ないのですが、特にプレーン弦は他より長持ちする傾向にあります。
演奏頻度が極端に多いとその限りではないですが。
エリクサーほどではないですが、手触りも滑らかなほうです。
とは言っても、さすがに指板オイルやフィンガーイーズ推奨です。


【ブライトさ】★★★★☆
【テンション感】★★★★☆
【錆び耐性】★★★☆☆(約2~3ヵ月ぐらい)
【備考】歪みと相性が良い。かつ意外と長寿命。





ghs 生形真一モデル(SHINICHI UBUKATA)


ELLEGARDENとNothing's Carved In Stoneのギタリスト、生形真一氏のシグネイチャーモデル。
彼は普段からghs Progressives(プログレッシヴ)の弦を愛用していたようです。
弦の質はいつものProgressivesと同じながら、ビグスビーアーム搭載のギターに合わせて少し長く作ってもらったそうな。

そのProgressivesの弦とは、通常のエレキギター弦よりもさらに磁石に反応する強磁性の素材で作られており、かなりブライトな性格で高音が抜けて聴こえます。(独自のフィラメント・グレード・アロイ合金ワイヤーを使用、とのこと)
ちなみに自分もProgressivesをカジノに使用。
他にも今剛氏など、名だたるギタリストがこの弦を愛用しており値段はやや高いが通には刺さる逸品。
そして、どのぐらい音が変わるかというと、アンプのセッティングをいつもの状態にしたら高音が耳に付いてトレブルを少し下げました。
そのぐらい音質が大きく変わります。

この弦はギブソン系、特にES-335やES-330などの箱モノで歪ませるというプレイヤーには最適。
箱モノは高音がソリッドボディと比べると抜けきらないところがあるので、個人的には相性がよく感じます。
他のメーカーでもこう言った素材の弦がいくつも存在しているので、気になった方は要チェックです。


【ブライトさ】★★★★★
【テンション感】★★★★☆
【錆び耐性】★★★☆☆(約2~3ヵ月ぐらい)
【備考】張りたては非常にブライトだが1か月以上経てば落ち着いてくる。




Fender(フェンダー)


↓通常のボールエンド




↓弾丸型のボールエンド




フェンダー弦の特徴は、音とかそういうところではなく、ボールエンド(弦の端の玉)がストラトキャスター専用に作られているものがある、という点です。
もちろん通常のボールエンドモデルもラインナップしていますが、弾丸型のボールエンドは他のメーカーでは存在しません。
フェンダー弦のアイデンティティというやつです。
これは音がどうとか、チューニングの安定度がとか、そういうことではなく、カッコイイかどうか、という世界です。
だって弾丸型のボールエンドですよ?(中二)
なので細かいことを気にしすぎる方には不向きかもしれません笑

フェンダー弦の音は、ダダリオに似ておりブライトですが線は細くなく、テンション感も中庸です。
音質面に大きな特徴はありません。


【ブライトさ】★★★☆☆
【テンション感】★★★☆☆
【錆び耐性】★★☆☆☆(約1~3ヶ月)
【備考】弾丸の形をしたボールエンドのモデルが存在する。




総評 奥が深い


今回は自分が自信を持って説明できる弦だけを紹介しました。
もっと弦は存在してるのですが、イメージでは書けませんからね。
イメージで書いてしまうのはNG。
それのせいで勘違いや思い込みが蔓延してしまっているので。

個人的にはアーニー弦の柔らかさは意識して使った方がいいと思いました。
これはテンションが弱い弦なんだ、と分かって使うことが重要ですね。
エリクサーやghsも同様で、これは結構硬い弦なんだ、と分かって使うと面白味が出てきます。
ダダリオは普通なんだ、と思えば大丈夫です笑
ダダリオは商品のラインナップがどこよりも多いので、通なゲージセットや素材、フラットワウンドなどが欲しい時は便利ですね。
工場出荷に使われている弦、ということは優れている証拠です。
信用がないとそこまで成り得ません。

最後まで読んで頂きありがとうございました。







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