6品目 ギターってどう選べばいい?(エレキ編)

「なんとなく」や「直感で」とかが一番信用できる感覚です。




こんにちは!
島村楽器 三宮オーパ店の重信です。
前の記事が深堀りしすぎたので、今回はだいぶ初心に帰った記事にしようと思います。

お店にいると、これから始められる方に多く出会いますが「一体何を基準にしてギターを選べばよいのか」という質問をよくされますので、ここに重信流ギター選び(エレキ編)を記しておこうかと思います。
この内容はあくまで「初心者の方へ」という内容になりますので、何十万円の新しいメインギターをお探しという方向けではありません。


選ぶ基準 其の一「価格帯」

ここはまず、本当に「まずは」気にしないといけないポイントになります。
楽器屋さんでなくとも家電屋さんでも一緒じゃないでしょうか。

わりと不思議な現象がありまして、楽器屋さんになった途端「コレ何?ギター?どれ選ぶの?値段?基準どのぐらいなの?何コレ」となってしまう現象があります。
今まで色んなところでお買い物してきたはずが、なぜか楽器屋さんに来ると「ワケワカラン、タスケテ…」になってしまう方がほとんどです。
これはなぜなんでしょうか。
たぶん今までの価格の基準が全く通用しないからではないでしょうか。
なので価格の基準を重信流で書いていきます。
ちなみに今回はエレキギター編です。

そして、このブロックの特徴は「目的別」に書いたところです。
「この価格帯はこんなギター」ではなく「こう考えているならこの価格帯」という見方になります。



先日思い立って楽器屋(ここ)に来た、続けるかは分からない

この場合、いきなり5万円のギターと言われてもたぶん「え?高すぎんか??」と感じると思います。
ちなみに「続けられるか自信がない」ではなく「人生設計的に早急にやめる可能性大」という解釈でいてください。
続けられるか自信がない、というのは初心者の方全てに当てはまるので。
不安なのはみんな同じ。

好きなバンドも特にいない、マジで思いつきでここに来たという方は1万円台のギターを選択しても大丈夫であると思います。

例えばこれが周りにギターやってる友達や家族がいるという場合。
その場合はたぶん今後もギターを続けられる要素があり、かつ「ここのブランドのギターを持ってる」とか、そういうちょっとした「見栄」みたいのが出てくるものですので(ごく自然なことです)、1万円台のエレキギターを選ぶと、たぶん飽きる可能性が非常に高いです。

なので「これたぶんやめちゃいそうです」という方は1万円台がおすすめです。
ギターの選び方ひとつにも人生あり。
何かおかしいことも、悪いこともありません。
1万円でも高いお買い物です。

だからこそここに記したいのは「後で買い替えればいい、今はとりあえず1万円台」と思った方は要注意。
車選びと一緒です。
すぐ買い替えたら最初に買った分のそのお金、めっちゃもったいなくないですか?
なのでもし、続けそうな予感とか予定がある方は是非、本項をもう少し読んでみてください。


部活、サークルにこれから入ります

学生の方ですね。
まずは高校生の方からご案内してみましょう。
たぶん、高校生の方で楽器屋さんで部活のためにギターやベースを買おうかしら、といらっしゃった場合、親御さんも一緒にご来店なさるかと想像しております。
実際、ほぼそうです。
なので、ご予算は親御さんが握っておられる状態ですね。
なので、高校生の親御さんに説明しているような状態になります笑
単刀直入に書くと、出来れば安いほうがいいですよね?
そりゃそうです、いきなり高いの言われたら困りますよね。

なので、3万円~5万円ぐらいがおすすめです。
この価格帯の場合ほとんどがメイドインチャイナとなりますが、1万円の商品よりも故障率が下がります。
故障とは「ペグがバカになってしまった」「ある日突然音が出ない」「なんかパーツ取れた」などなど。
部活で使用する場合、故障が相次ぐとたぶんやってられんと思います笑
大体3~5万円台になると価格とのバランスが良いかもしれません。
あと、高校の部活で何十万の高級ギターを使用するのは、正直怖いです。
何が起きるか分からないこともあり、このぐらいの価格帯はおすすめです。


次に大学でサークルにこれから入る方。
たぶんですが、(それぞれの人生ですが)たぶん、バイトしますよね。
それかもうしてますかね。
※バイトしてない方は上記の内容と同じになります。

そのサークルの活動がどのぐらい盛んなのかによって変わってしまいますがここでは一旦「ライブすること前提」というシチュエーションで書いていきますね。

安ければ安いほどいいという方には上記と同じく3~5万円台がおすすめにはなりますが、バイトしてちょっとぐらいの贅沢は許されますけどねという方は、頑張って6~10万円出すとお買い替えはあまり気にしなくていいクオリティになってきます。

サークルの場合、先述の「見栄」をより一層気にすることになります。
かっこいいブランドを愛用したくなってくるのです。
これは自然なことです。
フェンダーやギブソン、グレッチやエピフォンなどなど、有名ブランドに興味が湧きやすい環境です。

僕なりに言うとしたら、アンプやその他アクセサリーは来月でも買えるので、とにかくギター本体はめっちゃ気に入ったヤツ買ったほうがいいですよ、ということです。
形や色、めちゃくちゃ好き、でもちょっと高い…!というのを見つけたら、頑張ってそれを買ったほうがいいです。
例えばですが、あんま気に入ってないけどとりあえず4万円で予算内のギターを買った、という場合、たぶんですがそのギター、すぐ買い替えちゃいます。
飽きてしまうので。
そしたらその4万円もったいなくないですか??ということを僕は言いたいのです。

いきなり10万や15万円とは言いません。
もしあなたが「自分では判断できない、とりあえずなんでもいい」という考えに支配されていたら実は結構怖いことですよ。
これはあなたのお買い物。
少し先の未来で自分が考えそうなことを予測してお買い物することをおすすめします。
せっかく買うんならしっかり悩んだほうがいいです。



学校とかではなく真剣にギターを始めたい

部活やサークルではなく(年齢も関係なく)真剣にギターを始めようと思う、という方には3~15万円ぐらいのギターをおすすめします。

とても真剣に考えている方は、あらかじめモデルやブランドを調べておられる場合が多いかもしれません。
「こんな色やこんな形がいい」「〇〇さんが使っているギター」「こんな音が出るらしい」など非常に具体的です。
具体的だと実は店員さんとしてはとてもありがたいです…笑

この場合も同じく、せっかくなので欲しいなと思ったギターを、ちょっと値段高くても買ったほうが失敗しないと思います。
結論から申しますと、気に入ってないものは飽きます。
お気に入りの靴があったとすれば、イメージしやすいかもしれません。
履きやすかったり、かっこよかったり、かわいかったり。
たぶんですが、それをよく履いてませんか?
そういう感じです。
ギターは靴と違って生活必需品ではないのですが。
せっかく真剣に始めようと思ったのに、なんか急に萎えてくるのです。
もったいないですよね。

なので、憧れの人が使っているギターや、自分の好みの要望を満たしているギターを選ぶことは非常に上手なお買い物というわけです。



この項目の総括は「値段はめちゃくちゃ高くなくても大丈夫だけど、欲しいギターがあるのに違うもの選んだら後で飽きやすいですよ」ということになります。




選ぶ基準 其の二「見た目」

値段と同じぐらい大事な要素が「見た目」ですね。
人間は中身が大事ですが、ギターは見た目がまず大事です。
これは本当の話なんですが、ギターというものは心のテンションやモチベーションが低いとやってられません。
自分の楽器に対してカッコイイとかカワイイとかの気持ちが湧かないと挫折の確率が高くなります。


「見た目」という三文字には色々詰まってます。
例えば色とかどうでしょう。
赤にしても木目が見えるのか塗りつぶしなのか。
黄色っぽい赤なのか黒っぽい赤なのか。
メタリックなのかパステルなのか。
とまあ、色だけでも色々な項目があるわけです。
色に関してはあまり絞りすぎると「そんなギターは存在しない…」という寂しい結果になってしまう可能性があるので、例え話として解釈して頂ければと思います。

この項目では、大きく分けてどんなモデルがあるのかを紹介します。


最初に選ぶことが多いモデル

・ストラトキャスター(STタイプ)



フェンダー社が1954年に発表したエレキギター。
ジミヘンさんのおかげで「エレキギターといえばこの形でしょ」というイメージになるまで有名になった。
現在では多種多様なコピーモデルが製造されており、選択肢としては最も豊富。
例えばヤマハのパシフィカもこのSTタイプに属する。

標準装備されているシンクロナイズド・トレモロなど、パーツ量は多いが、ネジ止めのネックなど製造コストを下げるために設計されているので、ギター製造屋さんからしたらとても作りやすい。
なので1万円台とかでもこの形が選ばれる。
かといって、10万円のSTタイプも簡単に作られていてショボいか、となると全くそうではない。
作りやすい設計=基本の製造コスト以外のところにお金をかけやすい、という解釈が最も望ましい。
これはつまり、各種パーツが良かったり、良質な木材を使用していたり、職人さんが丁寧に作っていたりなどなど、高いSTタイプを選ぶメリットは非常に大きい。(例えば20万のSTタイプだと、もともと作りやすい構造であるが、しっかりとお金をかけてつくっていることになるので、質の良いギターであることが期待できるということ)

STタイプで総括して言えるのは、市場の弾数が一番多いという最強のメリットを持っている。



・テレキャスター(TLタイプ)



フェンダー社が1951年頃に開発されたとされる名器。
このテレキャスターを基に改良を加えたのがストラトキャスターである。
(こちらにはストラトキャスターのようなトレモロ機構が一切付いていない)
ネジ止めのネック(ボルトオン・ネック)を採用し、エレキギターの生産性を飛躍的に上昇させた。

前述の通り、高額なTLタイプは基本的な製造コストとは別のところにお金が掛けられているということになるので、「本当に質が良いギターが欲しい」という際は選ぶと予算的には得をしやすい。

特筆すべき点は、扱いやすいさにおいてはエレキギターの中でも群を抜いており、演奏時の安定性が非常に高い。

ピックアップセレクターやボリュームノブが遠いため、演奏中に当たって動いてしまうことが少ない。(STタイプのノブは手元に近いので便利な反面、手が当たるとすぐ動いてしまう。ライブなどの実戦面ではかなり重要なポイントです)
巷では「TLタイプは安定性が低い、弾きにくい」という意見が出回っているが、基本的にはデマで、実際はそんなことは全くない。
トレモロの有無の観点で見れば、むしろSTタイプよりもチューニングの安定性は高い。
音質はミドルが薄く、ボーカルの邪魔をしにくいのでバンドサウンドでは現在でも重宝され続けている。
(これはつまり、ボーカルが何を歌ってるのかよくわからない、という地獄を解決しやすい)

TLタイプのまとめは「ボーカルの邪魔をしないキレのある音、しかもセレクターやノブなどに手が当たりにくいので安心して弾ける」という点です。



・レスポール(LPタイプ)



ギブソン社が1952年頃に発売したジャズ用のソリッドギター。
太く甘い音が特徴。
また、高級ギターの代名詞と言っても過言ではない。
パンクロックやメロコアなど深い歪みを必要としているジャンルでも愛用者が多い。

まず、LPタイプはネジ止めのネックではなく、接着剤でボディとネックを引っ付ける「セットネック構造」のため基本的な製造コストがどうしてもかかる。
なので、ある程度普通に使っていけるLPタイプをお探しの場合は、低くても5~6万円ぐらいのご予算が目安。(本家ギブソンの場合は大体20~30万円ぐらいをご用意ください)
もっと安いものも存在するが、例えるとするなら、3万円ぐらいのLPタイプを購入する際は1万円台のSTタイプぐらいのクオリティかもしれない。
これは、基本の製造コストがかかる=各種パーツや作りの丁寧さにお金を掛けにくいから、という方程式になります。

その中でもエピフォンというギブソン傘下の会社から出ているレスポールのクオリティは良いほうで、
特に2020年以降のファットヘッド仕様のモデルは通常の5~6万円台のギターでは考えられないクオリティになっているので、最初に選ぶならおすすめです。

LPタイプを総括すると「パワフルな音が出るので激しいロックやりたいならコレ。製造コストがかかるので価格がSTやTLより高い。なので予算はちょっと高めに用意しよう」ということになります。



・セミアコ/フルアコ



これはエレキギターでありながら、ボディに空洞があいているのが特徴。
ホロウボディという呼称が伝わりやすいかもしれない。
特徴は、扱いに多少慣れは必要だが、存在感のある甘く太い音が出るので愛用者は多い。

注意点としては、(セミアコは結構大丈夫だが)音作りをしっかり考えないとピーとかフーンとかハウリング、フィードバックが起きやすい。

空洞があいているのでどうしても製造コストがかかる。
一言でいうならば作るのが難しい。
[!!かなり手間が掛かるので必然的に値段が上がるということになる。
ちゃんとしたものを購入する場合、ご予算は6~10万円ぐらい必要かも。

総括すると「胴鳴りによる濃厚な中低音が特徴。製造コスト大のため1万円や3万円などの安価なものはほとんど見かけない。ネオソウル流行もあり今だいぶ人気です」というところでしょうか。



・ジャズマスター/ジャガー(JM/JGタイプ)





フェンダー社が1958年にジャズマスターを発売、1962年にジャガーを発売。
現状、3万円台とか5万円台で手に入るような機種ではほぼない。
これも製造コストがかかるから高い
ちゃんとしたものを購入したい場合は大体8~15万円ぐらいのご予算が必要。
この機種はピックアップやブリッジなどの各パーツが専用のものだったり、スイッチ類が多かったりするので、そこで製造コストがかかる。

めちゃくちゃカッコイイ、これ以外考えられんわ、という感情が芽生えた場合、予算の許す限り頑張って購入した方がいいかもしれません。
JM/JGに惚れる人は他では満足いかないと思います
なぜかそういう法則があります笑


総括すると「部品が特殊なものが多いので基本的には高額。扱いやすい機種とはお世辞にも言えないが、魔力のレベルが非常に高いので好きになったら他のものでは代えは効かない」というところでしょうか。





選ぶ基準 其の三「弾き心地」


この弾き心地という観点は、一番最後でいいかもしれません。
シビアな弾き心地を気にするのは数年ギターをやった後に気にしたら良いかもしれません。
「絶望的に弾きにくい、これはマジで弾きにくい、本当に無理」という極端な例を除くと、あまり気にしすぎなくても成立します。

本質的なことを書いてしまうと「ギター製造屋さんからすると絶望的に弾きにくいギターを作るメリットがあんまりない」ので、「普通は弾きやすいように作られていますよ」ということが言いたいです。
(これ弾きにくいから買いません、というのはギターを作る側もそりゃ避けたいのです。当たり前すぎてたぶん誰も書いてないと思います笑)

これまた身も蓋もないことを書いてしまうのですが、弾き心地は値段に比例してきます。
安い価格になればなるほど弾きにくさが目立ちます。
靴でも同じことが言えるのではないでしょうか。
安い靴は、疲れますよね。
履き心地が良くないと、歩くだけで疲れてきませんか?
それは履き心地、機能性を捨てたから安い靴が製造できたということなのです。

では、ギターに当てはめることができるかというと、もはやギターとは言わず、ほぼ全ての工業製品に言えるのではないでしょうか。
なので、お客さんに高いものを買わせようと誘導しているのではなく、世の中の本質をこんなところに書いてしまっていることになります。
これは言ってはいけないことだと勘違いしておられる方がいらっしゃいますが、大丈夫です。

製造業の仕組みを改めて考えてみると、いたって単純な話ですよね。

話を戻すと、特にネックの太さは弾きやすさに大きく影響してきます。
細いネックは総じて弾きやすく感じますが、手の大きい人だと指が余ってしまうので、太いネックの方が弾きやすく感じやすいこともあります。
また、「自分は手が小さいのでギターには向いていないのでは」とおっしゃる方がたまにおられますが、手が小さくてもめちゃくちゃ上手い人がこの世には無数に存在しているので全く心配しなくて大丈夫です。

なので、ここの話をまとめると「初めて購入するギターで弾き心地は最優先で見なくても大丈夫です。ただ、これは本当に無理、弾きにくいなと感じたら店員さんにそのまま伝えた方がいいです」ということになります。
基本的には値段が高くなればなるほど弾きやすくなっていく傾向です。


総評


ギター選びの時、ご予算とか耐久性とか、弾きやすいとか色々ありますが、最後は「カッコイイ」とか「カワイイ」という感情が全てを超えてきます。

そういう感情が全然なかったら、結局弾かなくなってしまうのです。

最初はギターの練習の日々になるので「上手くなる」という目標というよりは「続ける」ということのほうが遥かに重要です。

そしてその「継続」というのは想像以上に難しかったりします。

その中で「このギターかっこいいな」という感情が皆無であった場合、人は簡単に折れてしまうものだったりします。

ご予算の範囲でめちゃくちゃ気に入った1本が見つけられる手助けになればと思って書いた記事でした。

最後まで読んで頂いてありがとうございました。






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