重信亭 1品目 エピフォン カジノ

記念すべき1品目はエピフォン カジノについて

こんにちは!
島村楽器 三宮オーパ店の重信です。
自分はエフェクター担当なのですが、コラム的なものを書いてみないか、と話がありまして始まることになったこの企画。
それが「重信亭」らしいです笑
(ネーミングは僕ではないという笑)
第1回目は僕が愛用するエレキギター「エピフォンのカジノについて書いてほしい」というリクエストがありましたので詳しく書いていきますね。
愛しのカジノについてなら、なんぼでも書けますよ。

↓スリムヘッド、ニッケルメッキパーツなど64~65年製の仕様を再現した現行品。

↓ネックはマホガニー材。ナチュラルカラーだとかなり分かりやすい。

【有名な使用者】

まず一番最初に浮かぶのは間違いなくビートルズの3人ではないでしょうか。
ジョン、ジョージ、ポールは様々な楽曲でカジノを使用。

特にジョン・レノンは65年製のサンバーストを愛用し、サイケデリック・ペイント→塗装を剥がしたナチュラルになるという変遷で、1本のカジノをいかに愛していたかがうかがえます。
現在、写真のようなナチュラルカラーが販売されていますが、元々はサンバーストかチェリー(※1967年から)、もしくはロイヤルタンやバーガンディなどのカスタムカラーのラインナップのみでナチュラルは存在しませんでした。

ポール・マッカトニーのカジノはビグスビーアームが特徴。
以降、ビグスビー仕様のカジノは非常に人気が高く、サステインの向上も相まってなかなか相性の良いカスタマイズです。

次に有名なカジノの使い手はポール・ウェラー
The JAM、スタイルカウンシルなどで一世を風靡し、その後ソロ活動となりUKロックには欠かせない重鎮に。

ちなみに僕が最も敬愛するミュージシャンの一人が彼。
僕が66年製のカジノを手に入れた理由も彼が好きだからという笑

ウェラー氏のカジノは66年製で、クロームメッキカラーのメタルパーツがニッケルメッキ時代のものに変更。
そしてブランコテールピースは、初期に見られた横線が入った仕様でかなり特徴的。
面取りの強いスリムヘッド、サンバーストの色の抜け方から本体は66年製、パーツは恐らく62年頃のものではないかと推測されています。

次に日本にスポットを当てると、GRAPEVINE 田中和将が有名。
田中氏は66年製のカジノを長年愛用。
彼のカジノは上記ウェラー氏と同じくピックガードを外していますね。

レミオロメン 藤巻亮太も有名。
チェリーカラーのヴィンテージカジノを使用しており、フリケンセイター・テールピースが特徴的で様々な楽曲で使用。

兄弟機Gibson ES-330の使用者になると、エディ・ロバーツ(THE NEW MASTERSOUNDS)、斉藤和義、奥田民生など、名だたる音楽家にめちゃくちゃ愛されているギターなんですよね。


【Gibson ES-330が先】

エピフォン カジノについて。
このギターはフルアコです。
センターブロックが無い完全な空洞のボディです。
よく勘違いされるのがGibson ES-335(セミアコ)。
335は全く違う別のギターになりますので要注意。
そして1959年に発売されたシンボディのフルアコであるGibson ES-330(335じゃないよ!)を基に、ややアレンジが加えられたモデルがEpiphone CASINO(E-230TD)

アレンジというのは、ヘッドの形状、指板のインレイ、サンバーストの吹き方など。
言わばバージョン違いのような扱いで、ゲームの赤版、緑版のような、あんな感じが近いでしょうか。
どっちがすごいとか偉いとか、そういうことじゃないって話ですね。
当時のカジノの中身はギブソン製で、カラマズー工場で作られていました。
(1969年でUSA生産は終了。後は日本などのアジア製となる)
1959年にES-330が発売→1961年にカジノが発売なので、実はカジノはエピフォンの完全なオリジナルモデルではないのです。
結構意外に感じる方も多いのでは。

↓ES-335は全然違うギター(右の赤いやつ)。ES-330はカジノとほぼ同じ見た目。


【フルアコ+P-90による黄金比的サウンド】

このカジノ(ES-330)というモデルは、ソリッドボディのギターとは全く異なる音が出るので、現在でも愛用者が多いギターです。
シンボディ(薄胴)のフルアコ×P-90という他ではあまり見かけない組み合わせで、トゥワンギーなサウンドが特徴。
トゥワンギーってもっとわかりやすく書けないだろうか…。
んん、無いですね笑
トゥワンギーなのです。
コリコリしたような音が特徴的です。
これは弾いてみるとやめられない魅力がありますよ。

なかなか他のギターで同じ音は出ません。

また、ブランコテールピースとビグスビーアーム搭載のカジノでは相当音が変わってくるのですが、接地面積が増えたり、金属パーツの質量が増加していることから、特にサステインに変化が生じます。
ブリッジの機構はカジノのサウンドを左右する重要なパーツです。

ES-335やレスポールで見られるチューン・オー・マティック・ブリッジが採用されていない理由は、フルアコボディであるがゆえ、強度が不十分でとんでもないことになるからですね。

考えただけでも恐ろしい…笑

↓独特の緩いテンション感が特徴的な「ブランコ・テールピース」。


【ラウドな音をアウトプット】

カジノがハウりやすいというのは有名な話ですが、これはパワーが弱いからピーピー言うわけではないのです。

逆に「拾いすぎ」になります。
ボディが空洞ですからね。

「このギターよく鳴るなぁ」という言葉をどこかで聞いたことがあるとは思いますが、例えるならソリッドボディの数千倍鳴っている状態だと言えます。

言うなら「鳴りすぎ」なんですね。

そこにP-90という、だいぶラウドなシングルコイルピックアップという組み合わせなので、ギター本体のボリュームがMAXだとどうしてもピーピー言いやすいんですよね。

ライブなどで大きな音を出す時は、9とか8でもいいので本体ボリュームを少し絞ってあげることが、カジノやES-330を使いこなすコツと言えるのではないかと思います。

ちなみに僕の場合は本体ボリュームは2とか3で、足元のエフェクターで増幅しています。

ボリュームを絞るとハイが削れるので、絞ってもちゃんとハイが出て、かつラウドなサウンドが出るカジノは、良いカジノだと言えるのではないでしょうか。

そこを意識して楽器店で試してみるのもひとつの手です。
(ポットなどの電装系のパーツが良質だとボリュームを絞ってもちゃんと良い音が出ます)


↓どこか女性的な雰囲気を感じる芸術性の高いデザイン。

↓指板のインレイは平行四辺形が描かれた「パラレログラム・インレイ」

↓ソリッドギターと同程度の厚み。これを「シンボディ」と呼ぶ。


【総評:ふつくしい…】

なぜかボーカリストによく選ばれますよね。
愛用してみると分かるのですが、アコギ感覚で弾けるところがあります。
ネックジョイントの深さの影響でピッキングの位置が他のギターよりもブリッジ寄りになるので、フォームも自然とアコギに近くなります。
UKロックの影響は間違いなくあるでしょう。
ボーカリストが使うギターとしての伝統みたいなものは感じますね。

個人的には、カジノは使いこなすまでが勝負。
使いこなせれば、声に寄り添って絡みながら鳴ってくれる感覚があります。
「バンドに混ざる」という表現でしょうか。

しっかり音作りできると、ギターだけ浮いて聴こえるということがあまり無いんですね。
音作りの難易度は高めですので、使いこなすまでが大変。

アンプのツマミをいわゆる「12時セッティング」にするとほとんどの場合は失敗します笑

これは1回だけでは書ききれませんね笑
パート2は確実にあるでしょう!

もっとオタクな内容でまた書きたいですね!

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。


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