K.Yairi 工場見学レポート ~後編~

皆さんこんにちは。

島村楽器神戸三宮店 アコースティックギター担当の久保です。

さて、今回ご紹介させていただきます内容は、タイトルの通り…

「K.Yairi 工場見学レポート~後編~」です。

遅くなってしまって申し訳ありません。。やっと書けました。。。

前編を見逃されている方はコチラをご覧ください。

K.Yairi 工場見学レポート

おそらく、いや、間違いなく今回も相当な文量、画像量になると思われますので、休み休みに読みながらでも最後までお付き合いくだされば幸いです。

それでは早速。

前回は作業工程を中心にお届けしましたが、後編ではより深く木材ストック部屋とK.YairiのカタログやHPでも紹介されているハンドメイドの工程をご紹介します。




その前に、Yairiギターにはカタログ掲載のモデルが全て(??)試奏できるスペースがございますので、まずはそちらをご覧ください。

階段には、所狭しと著名アーティストの写真が…あぁ、、、凄すぎてめまいしてしまいそうです。

部屋に入るとギター弾きにはたまらない空間が…

商談の机も異常にオシャレww

中にはこんなギターも

これも気になりました。

んで、これだけのギターがあるにもかかわらず、私が手に取って記念撮影したのは…

ヘッドの装飾もとても印象的です。

いいですね~裏側がww

すみません。。ふざけすぎ(??)ました。。。つい。。


気を取り直してまじめな内容に戻ります。

木材ストックルーム

一定の自然乾燥期間を終え、いよいよ成形に入るもしくは成型後、室内で管理されている木材達。

既にどのパーツになるのかが一目でわかるものもあれば、そうでない物も多数。

いたるところに希少木材が…あぁ、、、どうにかなりそうです。。。

全て単板…。

これは、合板ですね。。。ただならぬ合板です。

せっかくですので合板も少しご紹介します。

芯材を化粧板で挟んでいるのが分かりますね。

成型前の板はこんな感じです。私も初めて拝見しました。


うお!!これは!!

サイド材として使われるであろうコア材の束。。。これだけでン十万円なんだとか。。。

おや!?これは特上のメイプルですね!!

丁度良い。。。

今回の見学で長年の謎が解けたことをご紹介します。

メイプル!と言っても「ハード」「ソフト」「ヨーロピアン」等々いろいろな名前がありますよね。

産地も北アメリカやヨーロッパなど、寒い場所で取れる木材ですが、乾燥には時間がかかるもののその後は非常に安定しており、強度、杢目の美しさからギターやヴァイオリン以外にも家具や建築資材として使われることも多く、私の家にも子供用の積み木があったりしますww←完全な余談ですみません。

そのメイプルですが、エレキギターのトップ材でもよく目にします「フレイムメイプル」「キルトメイプル」ってなんであんな模様になるかご存知ですか?

病気?傾斜地に生息した個体??等々、所説ありますが、今回、森氏の解説で長年のふわっとした回答が明確になりました。

病気説も傾斜地説も間違えてはいないのですが、実際は風による影響が一番濃厚だといわれているそうです。

長年かけて20m以上に成長した木なので風の影響で「鍛えられた部分」それがフレイム柄やキルト柄になっているのです。

同じメイプル材でもフレイム目の細かく詰まった個体は固く、大目の物は柔らかいのだとか。

今回、画像の板をノックするだけでも音の違いは判別できました。

個体の違いを楽しんでいた私ですが、どうやら良いことばかりではないようで、、、

生育環境によって杢目は大きく変わってしまう分、木材を購入後、割ってみないとどういう個体かがわからない難しさも目利きの技術が必要になるのだとか…

また、どんなに杢目が素晴らしくても、もともとにクセがあると↓のように乾燥後も曲がった状態となり、使い方を制限されてしまう個体も少なくはないようです。。。

森氏の解説で印象的だった内容ですが「ギターになる木は樹齢180年以上のいわゆる「ご神木」の様な物。そんな貴重な個体に感謝の念を持ち、無駄なく、最適な状態で生かし続けるため、職人全員で考え、丁寧に作業を進めている。」との金言。

私も日々、ギターに囲まれた環境で働かせていただいていますが、製作者側の意思とお客様の将来をこれまで以上に意識してお伝えする必要性を強く感じた瞬間でもありました。



少し話が脱線してしまいましたが、もう少しだけ木材のお話をさせていただきます。

(こんなディープな記事を読んでくださっている)皆さんは、ギターに使われている木材の種類を見ればある程度、こんな音だろうな…といったイメージがあると思います。

私も(アナログなものに限りますが)、スペック的な話が大好きで、それぞれの木材がどういった感じなのかを言葉で表現する毎日です。

アコースティックギターのトップ板として使用されることの多い「スプルース」「シダー」、サイドバックでは「ローズウッド」や「マホガニー」等、それぞれの材が持つ特徴「硬さ」「重さ」がどうプレイヤーに反映するのか、、、これまでの考えが根底から覆されてしまうような事実を知る機会となりました。。。

前編含め、これまでご紹介させていただいた画像でたくさん山積みされた「成形された木材」ですが、この個体(ブレーシング接着前)を触らせていただきました。

すると、、、1枚1枚「しなり方」や「腰の強さ」に違いがあるではありませんか!!

もちろんその違いは「ノック音」でも確認ができ、その個体差を型番のある工業製品として「ほぼ同じ音、質感」に仕上げていく技術に深く感銘を受けました。

私たちが日ごろ言葉にしている「個体差」という言葉は、ものすごく卓越した技術の集積にある。

そんなことを意識してYairiギターの同一品番での違いを試してみると楽しみ方も変わるかもしれません。

この後カスタムショップについて触れてまいりますが、木材ストックの最終解説で私なりの解釈(勿論、森氏には質問して、丁寧な回答も頂戴していますよww)を一つ。。。

例えば、アコースティックギターは基本スプルーストップにしたいが、ライブでの使用が目的だから見た目は超ド派手なフレイムメイプルにしたい。。。

ただ、メイプルって固い音がするイメージあるでしょ?なかなか使いにくいよね。。

他には、マホガニーの粘りが好きだけど、アルペジオでもう少しサスティーンがほしい。。

オールマホのルックスが大好きなんだけど、きらびやかな音が好き。。。

ギター好きの皆さんであればそんな悩みありますよね!?

Yairiのカスタムオーダーなら叶えられるかもしれません!!

※無論、入念な打ち合わせが必要となりますので、ご希望の際は当社「K.Yairi 特選店舗」担当スタッフまでお気軽にご相談ください。


さて、そんなこんなで話は

カスタムショップに移ります。

カスタムショップとは、ギター製作は20近くの工程を基本的に分業制で行っていますが、オーダー品を中心に木材選定から最終調整まで、全ての工程を一人で手がけるK.Yairiの中でも3人しかいない職人さんが作成するギターをカスタムショップ製と呼びます。

作成は別棟でされており、部屋には著名アーティストの写真付きサイン、色紙など豪華絢爛な異空間、、、

こちらにも日本の音楽を牽引してきた方々がずらり一堂に、、、これを見るだけでも価値はある!そう断言できるほどの凄さです。

部屋の一番奥にはこれまでに作成してこられたハンドメイド作品が鎮座しているではありませんか!!

アコースティックなんですが、もうギターと言っていいのかわからないの芸術品。。。

森氏:気軽に触って良いですよ。

私:無理っすw



・・・と言いつつも勿論物色ww

な、な、なんぢゃこりゃ~

なんぢゃこりゃ~その2

これは、東日本大震災の津波で被災した松を使用し、小池氏が津波の怖さをイメージしたと言われるギター。

もともとの木材(被災松と言われる材)がギタートップの基準より小さかったことで、小ぶりな仕上がりとなったそうですが、制作秘話などを森氏からうかがいました。

商談用(??)のテーブルもすごくオシャレです。。。ってこの木材はまさか!!

全体像を取り忘れてしまったのですが、職人さんそれぞれに作業スペースが設けられております。使用されている工具も違えば置き場所も違う、個々のスペシャリスト感をうかがえます。

天井を見ると成形前の木材が、、、

これは、御三方がご自身で木材ストックした厳選材。

後から聞いた話ですが、職人それぞれの好みも勿論あるが、良い個体はまれなので自分で選んでストックしているのだとか…

では肝心の各職人さんを詳しくご紹介してまいります!

…と言いたいところですが、丹羽氏がご不在、小池氏もインタビューする時間がなかったこと等、、私が説明するよりメーカーHPの方がはるかに見やすいのでそちらをご覧ください。

K.ヤイリ カスタムショップ

そして、ついに道前氏と接触!!オーラがスゲェ…

たじろいつつも撮影を継続。ただ耳は完全に森氏と道前氏の会話に集中していたためか、後で見返した画像はブレている物が異常に多い(泣)。ブロガーとしては失格ですw

個人的な話ですが、私自身、所有しているアコギの一番お気に入りの物がニューヨーカータイプのギターで、道前氏が作成するオリジナルモデルはニューヨーカータイプが多いことでも有名ですので以前からカクレ道前ファンだったんです。私、実は…。。。

ブログで一方的に、しかもいい歳の中年に差し掛かろうか(世間的には既に中年!?)の告白はさておき、お会いできた上、お話しできてとても光栄でした。

夜中に作成している記事だけあって、どうでもいい情報がちらほら垣間見えますが、先ほどの会話の内容をご紹介します。

成型過程の物から、塗装前、塗装後、完成を間近に控えた物まで憧れのカスタムショップモデルがずらり

軽く触らせていただきましたが、響きがレギュラーラインナップの物とは違い、ふくよかで繊細。。。言葉での説明は難しいんですがおそらく誰が聴いても良い音に感じるのではないでしょうか。

現在作成されているオーダー品。

よく見ると口輪のデザインがこれまでに見たことのない仕様になってていますが、この技術が斬新だそうで…

せっかくですので、その時の道前氏のブログを貼りつけておきます。

K.Yairi Custom shop オフィシャルブログ『46な日々。』より

※画像は完成した作品で、ブログで紹介されている個体は違う物となります。

私が拝見した時間は、とても貴重な瞬間だったことに後で気付き、そのレア感にふるえました。

ものすごい技術を肌で感じながらも時間が過ぎるのは早いもので、Yairiギター工場見学最後の仕事。

「K.Yairi 特選店舗」オリジナルモデル作成

詳細はまだお知らせすることができませんが、その時の雰囲気だけ画像でご紹介。

おそらく秋ごろに完成し店頭に並びます。

当社アコースティックギターのスペシャリストたちが練りに練ったスペックの仕様となっておりますので、皆様のご期待にお応えできるモデルに仕上がってくるでしょう!!

といった具合に非常に濃厚な2日間を過ごさせていただきました。

まずは、貴重なお時間をいただき工場をくまなくご紹介くださいましたYairiギターの皆様にお礼を申し上げます。

この経験が自分だけでなく、これからご案内させていただきます未来のお客様にも伝わりますよう尽力してまいります。

今回の記事を最後までご覧いただいた皆様、とっても長文になりましたがいかがでしたでしょうか?

まだまだご紹介したい内容が山のようにありますが、キリがありませんので今回の記事もここいらで切り上げさせていただきます。

それではまたディープな内容をどこかでお伝えできればと思います。

ありがとうございました。

この記事を書いたのは…

名前 久保 宏義
画像
コメント うどんをこよなく愛する香川県出身のベーシスト。神戸三宮店ではアコースティックギターとドラムを担当しております。私自身が「K.Yairi」のファンであり、ことのほか思い入れの強いブランドなんです!ギターを始める方も、これから買い替えを検討している方も是非一度現物をお試しいただけると幸いです。「Web見たよ!」とお声かけいただけると嬉しいです♪

記事に掲載されている情報は、掲載時点の情報です。イベント情報、商品情報、在庫状況など、掲載時点以降に変更になっている場合もありますので、あらかじめご了承ください。

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