ピアノ調律担当日記 その15~ピアノの歴史~『ピアノ誕生以前』

こんにちは!
お久しぶりです…。
島村楽器ららぽーと甲子園店ピアノ調律担当の藤岡です。
今回からピアノの歴史について、数回に分けて更新していきます。
本日のテーマは『ピアノ誕生以前』です。

それでは早速スタートです!!

ピアノが誕生するまでの鍵盤楽器というと皆さんは何を思い浮かべますか?
多くの方がここでチェンバロを思い浮かべるのではないでしょうか?
ここからはピアノの誕生以前に広く使われていた楽器の構造からピアノの祖先を掘り下げてみましょう。

世界最古の楽器は、一本の弦を張っただけの狩猟で使う弓のようなものでした。
音を共鳴させたり・遠くに届けるため、共鳴箱が生まれ、その後さまざまな楽器に分岐して発展していきます。
ピアノの祖先とされているダルシマーから先ず紹介していきます。

※今回は拙い手書きのイラストが登場致します…。
温かいお心でごらん頂けますと幸いです。

ダルシマー

台形の共鳴箱の上に弦を張り、それを槌で叩くことで音を鳴らします。
非常にシンプルな作りです。
それまではギターなどの様に弦をはじいて音を鳴らすのが多かったのですが、槌で叩くいて鳴らす発想がピアノの祖先として有力な楽器であると考えられている理由です。


チェンバロ

古典鍵盤楽器の中では一番知名度が高いのではないでしょうか?
鍵盤の先に「プレクトラム」という爪が付いており、弦をはじく事で発音します。
鍵盤を押し下げたときには発音して、鍵盤を戻すときには発音しない様に工夫された機構になっており、室内楽や宮廷等貴族のたしなみとして高い人気を誇っていました。


チェンバロの弱点は打鍵の強さで音量が変化しない。音色の幅が狭いというところです。
そこで、音量を確保したり・音色を変化させるために『レジスター』という機構を搭載していました。
今でいうオルガンのスティックの構造に近しい作りになっていて、一つの鍵盤で三本の弦をはじくのか・一本だけにするのかを選ぶことが出来るのです!
約600年前に発明されたというのが信じがたい作りです。


弦をはじいているパーツをアップにするとこのようなつくりになっております。
持ち上がる時は弦をはじきますが、元の位置に戻る時は弦をはじかないようにプレクトラムが付いた部分だけ可動式になっています。
また、レジスターを使用すると手前のプレクトラムのみが有効となり、音の鳴りが変わる造りになっています。


また、このチェンバロは見た目がとっても美しいんです!!
有名画家が外装に絵を描きつけていたり、象嵌細工が施さてれいたり…
それはそれは、贅沢に作り込まれており。演奏出来る芸術品といっても良いのではないかと見るたびに思います。
写真を掲載したい個体が幾つかあるのですが、色々な事情から載せられないのが残念極まりありません。
大阪や浜松にある楽器博物館にて実物やレプリカをご覧いただけますので!是非…!是非とも…!!!見てみて下さい。

ピアノとの違いは、『弦をはじいて音を鳴らす』という発音方法です。
ピアノではハンマーという羊の毛を圧縮して作ったパーツで『弦を叩いて音を鳴らして』います。
楽器の分類は、音の鳴らし方を基準にした「ザックス=ホルンボステル分類法」にて分類を行います。
するとチェンバロは發弦楽器(弦をはじいて音を鳴らす楽器)。
ピアノは打弦楽器(弦を叩いて音を鳴らす楽器)に分類されます。
このことから、チェンバロとピアノは違う分類の楽器とされています。
チェンバロは「鍵盤を使う」という機構の面でピアノ発明の参考になっているとされています。


クラビコード

(※こちらの画像はローランドの電子チェンバロです。使用できる画像が無い為見た目の雰囲気がこんな感じだったという参考までにご覧くださいませ。)

鍵盤を使用して音を鳴らす楽器です。
鍵盤を押し下げる事で、タンジェントという金属パーツが持ち上がり弦を叩いて音を鳴らします。
非常に単純な造りとなっていますが、鍵盤と音を鳴らす為のタンジェントが一体型なので、鍵盤を揺らすことでビブラートのような効果を得る事が出来ます。


このクラビコードは見た目が四角いつくりのものが多く、蓋を開けると内側に美しい絵が描かれていたり、響板の絵が描かれていたり…
演奏以外にも見た目の美しさにこだわって作られていたことがうかがえます。
チェンバロと比べると音量が小さいことが弱点ですが、鍵盤の操作で表現を付けられるのが特徴です。

最後に

ピアノが発明されるまでは室内楽など小規模の会場で用いられることが多く、音量が小さく表現の幅も狭い楽器が多いです。
また、ピアノが発明された当時(1700年ごろ)は、まだ認知度が低く作曲家も積極的にピアノを使用しておりませんでした。
主にバロック音楽に分類される楽曲は、現在の音楽のように表現豊かに演奏することを想定していません。
きっと、現代の演奏を聴いた作曲家は驚きを隠せないのではないでしょうか?
そのため、昔の楽曲を演奏する際にピアノを使用すると全く違う印象になるから、当時の楽器を使用したほうが良いいう音楽家の方もいらっしゃいます。
興味がある方はぜひ一度古典楽器の音色を体感してみてください。
楽器の昔を知ることで自身の表現の幅がきっと広がりますよ…!!


いかがでしたか?
一口にピアノの誕生までといっても、様々な職人が試行錯誤して作った沢山の楽器があります。
この後ピアノが誕生してからも小型を目指したり、音域の拡大を目指したり…
音楽の幅を広げたい作曲家とより良い楽器を創りたい職人とで面白い楽器が沢山誕生致します。
中には「え!??そんなのあり!?」といってしまいそうになるものも‥‥
出来る限り紹介していきますので、ぜひ引き続きチェックしてください♪

※ピアノの発展史には諸説あります

以上 藤岡でした!

お問合せ

店名 島村楽器ららぽーと甲子園店
電話番号 0798-81-6651
担当 藤岡

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